歌舞伎俳優の片岡仁左衛門、坂東玉三郎が2日、東京・歌舞伎座で開幕した「四月大歌舞伎」(27日千秋楽)で12年ぶりに「ぢいさんばあさん」に出演し、息の合った芝居を見せた。
森鴎外の短編小説が原作で1951年に初演された新歌舞伎の名作。ある事件が原因で離ればなれに生きてきた夫婦が、37年の時を経て再会を果たす感動物語。仁左衛門が美濃部伊織、玉三郎がその妻るんを演じている。
この2人による同演目は12年ぶり5度目。再会する場面での演技に一層の深みと味わいが増しており、ほとんど至芸の域。客席では涙をふく人が少なくなかった。
また仁左衛門は3月の歌舞伎座公演で一時、体調を崩し、その後復帰。この日は小走りするような場面でも機敏な動きを見せており、完全復活を印象づけた。