【W杯抽選会】中村憲剛氏分析、隙ないドイツと日本の理想型スペイン「ごまかしの利かない相手。厳しい組」

日本代表イレブン
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 元日本代表の中村憲剛氏(41)は、カタールW杯で日本代表がドイツ、スペインと同居する「厳しい組に入った」としながらも、森保ジャパンのスタイルを世界トップクラスにぶつければ、今後の日本の成長にもつながっていくと語った。

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 優勝候補の一角、ドイツ、スペインと同じ組に入った。両国に共通するのは一芸に秀でるチームではなく、攻守、試合中の駆け引きを含めて総合力があり、欧州サッカーの最前線にいて、世界のサッカーシーンを引っ張る存在だということ。日本にとっては、ごまかしの利かない相手。しかも1次リーグで2度対峙(たいじ)する。厳しい組に入ったというのが、率直な印象だ。

 まずドイツに隙が生まれることは期待できない。同国では多くの日本人が多くプレーし、その良さを知っていることで敬意を払われている。そしてカタールW杯は11月開催。欧州リーグはシーズンの真っただ中で状態面の不安もほとんどない。さらに彼らはロシアW杯の1次リーグ敗退の悔しさも胸に秘めている。今回は初戦から万全で臨んでくるだろう。

 そしてスペイン。カテゴリーは違うが、昨年の東京五輪準決勝で敗れたことが記憶に新しい。日本がやりたいサッカーの先を行くチームだ。日本も守田、(田中)碧らが、相手を見ながらプレーするようになったが、スペインはそれをより高いレベルで、長く国の文化・スタイルとして実践してきている。相手が得意とする土俵に立つことで、差を突きつけられる可能性がある。

 個人的には今予選で築いてきた4―3―3、ボールを握り、前から守備をするスタイルで向かってほしいと思う。勝利するために守備的に応戦するのも一つの手段。実際にチームの一員として南アフリカW杯で実行した。今は欧州でプレーする選手が増えただけではなく、強国に対応できる選手が増えてきたと感じる。日本のスタイルを世界トップクラスにぶつければ日本の現在地が見え、未来への成長にもつながっていく。

 これからの日本の方向性を見いだす上では、うってつけの2か国と同居した。ぎりぎりまで勝ち筋を探り、準備し、最後は腹をくくってすべてをぶつける。そうすれば何かを起こせる。日本には期待感を抱かせてくれるメンバーがそろっている。(中村憲剛=元日本代表、川崎MF)

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