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宇野昌磨 SPで「4年間できていなかった」完璧演技披露 109・63点で首位発進

ノーミスで首位発進した宇野昌磨(ロイター)
ノーミスで首位発進した宇野昌磨(ロイター)

◇世界選手権 男子ショートプログラム(3月24日、フランス・モンペリエ)

 平昌五輪銀、北京五輪銅メダルの宇野昌磨(トヨタ自動車)は、今季最後の「オーボエ協奏曲」で、自己ベストを3・73点更新する歴代3位の109・63点で首位発進した。4回転フリップ、4回転―3回転の連続トウループ、トリプルアクセル(3回転半)を全て決める圧巻のノーミス。スタンディングオーベーションに包まれると、ガッツポーズで氷上を小走りした。2位には105・69点で北京五輪銀メダルの鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎高)が、3位には101・12点で友野一希(セントラルスポーツ)が入り、日本勢が1~3位を独占してフリーに進んだ。宇野の一問一答は以下の通り。

 ―演技を振り返って。

「えー、本当に、練習通りの演技ができたことが、すごくうれしかったです。練習通りの演技を試合でするっていうのは、すごく難しいことっていうのは分かっていたので。高望みはしていませんでしたけれども、いざできると素直にうれしいです」

 ―得点については。

 「そうですね。素晴らしい点数をいただきました。あの、あとはこのショートプログラム、まとまった演技をなかなかこの4年間できていなかったので。点数アップを狙うべきところが、こういういいパフォーマンスを大きな試合の場でこなすことによって、自然と点数が伸びてくると思いますし、また、フリーに関しては、今日やったショートより明らかに難易度が高いので。今シーズン最後のフリーになると思うので。そばで見てくれる人が、満足してもらえるような演技をしたいと思います」

 ―どのような練習、どのようなエレメンツを強化してきた。

 「えっとー、まあフィギュアスケートは全部必要なスポーツなんですけれども、やはり一番重視されるのはジャンプ。ジャンプは相変わらずメインに練習しているんですけれども、プログラムの練習としても、その今までとは違って、毎回全部を通すのではなくて、自分に必要だと思うところを何度も小分けにして、集中して練習することによって、今まで見えなかった課題だったり、いい練習ができたんじゃないかと思うので。これも、今回通じて、鍵山優真くんの練習を見て、自分でもこういうのを取り入れてみようとやってみて」

 ―この大会に向けて。

 「僕は今日までの練習で、全く不満というか思い残すことが全くないというか。あのー、もし仮に失敗しても、今日までの日々を後悔することは絶対にないと。また、今大会は特にネーサン・チェン選手がいないということで、誰が優勝してもおかしくないという僅差の戦いになるというのは、分かっています。まあ、その中で、プレッシャーのかかる中、誰がまとめるかっていうのが、あのー、優勝を争う秘けつになると思います」

 ―フリーへの意気込みを。

 「そうですね。ジャンプは、本当に難易度上がります。ただ、一番僕が重要にしたいのは、これが本当にボレロの最後になると思うので、あのー、ジャンプ終わったあと、最後のステップ、そこをちゃんとステファン・ランビエルコーチが満足できるステップ、今年最後に」

 ―今の気持ちは。

「えっと、素直にうれしかったので。えっと、本当に練習以上ができたわけじゃなく、このまんま練習通りの演技でした。ただ、試合という特別な場で、練習通りにできないというのは今までもたくさんありましたし、だからこそ高望みはしていませんでしたけれども、とりあえずはやはり、練習通りの演技ができたということに、すごくうれしく思いますし。あの、今日までの練習がしてきて良かったとか、そういう思いも感じないほど、僕は今日までの練習がすごく充実していて。全く後悔がなかったので。また仮に失敗しても、練習を悔やむことはなかったと思いますけど、単純にこの大きな場で、一発勝負で、練習通りを出せたというのはすごくうれしく思いますし。ただ、あのー、こういう演技で、まだまだうれしいと思っている内は、あのー、その演技が自分にとって当たり前ではないということだとも思うので。まあ来年以降、どのように試合に出て、どのような形でシーズン送るか分からないですけれども、あのー、今年は違って、たくさん試合にでるのか、そこを考えながらやっていきたいと思います」

 ―100点超えが五輪を通してふたつそろった。1か月前からの成長はどこに感じる。

 「そうですね。あのー、まずは五輪で4回転3回転をちゃんと挑戦してすることができたのが、その一つの大きなきっかけになったかなと思います。この4年間、なかなか練習でできてても、っていうところが大きかったので。まあ、それもありますし、あの五輪の前とは違って、ほんとに練習量が例え減っても、けがをせず、練習をあの焦らずやっていけば、調子の向上につながるというのは改めて痛感させられました。全日本前もこれくらいの状態で、練習を積み重ねられてはいましたけれども、自分が焦るばかり、なかなか空回りしてしまったので。この一つの失敗も、僕はやっといて良かったと。今後の経験に、やっぱり生きると思いますし。そのー、けがしたというのも、試合でなんかケガがあったらからどうだった、というのもないと思うんです。もし、なくても順位は変わらなかったと思うので。なので、今年の出来事全てが、今は納得しています」

 ―首位発進は、どのように受け止めている。

「まあ、そうですね。その僕も、まあ1位はほとんどないですけど、まあNHK杯でも似たような経験、確かしてますよね。してませんでしたっけ」

 ―ボレロのステップ、ステファン氏の振り付けと演技の隔たりは、今どれくらいある。

 「うーん、どうですかね。まあ僕は分からない。ステファンに、ステファンにもし聞く機会があったら、聞いてみて下さい。もし試合前に聞くと、プラスなことしか言わないので(笑い)まああの、こじんまりとしたところで聞いてくれると、本音がうかがえると思います」

 ―スイスで一番やったことは。

 「いや特に、スイスで何かやったってことは、ないです。あの、五輪終わってから何度も言ってるんですけど、優真くんが練習していた、その毎回通す演技ではなく、その個別に分けて、自分が気になる部分をしっかり集中して練習をする。その結果、いろんなところにつながってくるなって。なんか、僕ここできてなかったんだっていうのが、まあ特に後半のフリップとか。そう思いましたし、だからこそ、今年はほんとに優真くんに学んでばかりでした」

 ―フランスで演技するのは2019年のグランプリ以来かなと思う。フランスのお客さんに今回の演技を見せられたっていうことについて。

 「そうですね。本当にこのなんですか、3年、3年かな。で、いろいろ考えが変わりました。3年前は自分が終りに向かってスケートをしているという印象が自分でも強かったんですけれども、今の自分としてはこれから先、自分がどんなことを成長、どんなことをなすことができるのかっていう期待を込めて、スケートをしています。この大会で、もちろんいい成績を残したいっていうのもあるんですけれども、もっと僕はまだまだスケート、ずっと成長の過程の一つとして今の僕がこれだけできるんだよっていうのを、また皆さんで、この3年間で変われた自分をお見せできたらなと思います」

 ―今日のあなたは全く違う、別人、別次元でした。時間を自分が制御し、コントロールしているだけでなく、まるで演技の中の時間を全部自分が支配して、その中に存在しているっていうような印象があった。感じているところを教えて下さい。

 「はい。ええ、そう言った言葉を言っていただきすごくうれしく思います。あの、本当におっしゃる通りだと思っていて。最近の僕の演技っていうのは割と一つのエレメンツが終わった後に、次に気持ちがまあ不安からくる気持ちなんですけども、気持ちがそこにないというか、次のことばかり考えていたり結構、あわただしい演技になりがちな中、今日は本当に、そのー、まあこれは練習でずっとできていたからこその落ち着きだったと思うんですけれども、本当にただただ練習通りをやりたい、それだけでいいっていう。自分をいつもよりよく見せようとせずに、いつも通りを見せようとした結果、余裕が生まれて、あの余裕のある演技だったと思います。そのー、ショートプログラムに関しては、まだまだジャンプが難易度が低いので、そのジャンプ以外のところに、もっともっと力を入れられると思うので。僕のやっとフィギュアスケートが今年また再発進したと思っている年なので、これからもっと成長を見せられたらなと思ってます」

 ―演技が終わってからコーチの方とお話をされたとしたら、どんなお話を受けたか教えて下さい。

 「僕の次がデニスだったんですよ。で、取材を受けて、ここに足を運んだんで、まだ演技終わってからちゃんと言葉を交わしてないです」

 ―日本のメディアでのインタビューを聞いていますと、将来を考えて色々やっていると。キャリアを終えるみたいなことからそこまで変わる、未来が見えているっていうマインドの切り替えというのは、一体何が原因。

 「はい、ええ、まあ僕は、五輪という舞台を最後の目標にしてフィギュアスケートをやってこなかったんですけれども、そのー、自分にとって何がゴールっていうのを全く決めていなかったので。そのー、初めて五輪に出て銀メダルを取ることができ、その後、結果を出し続けなければいけない、自分の結果にとらわれたくないって自分で言ったのに一番とらわれてわれていた時期があったと思います。その日々はとても辛かったです。そのー、練習がやりたい、やりがいではなく、あのー、責任感とか、やらなきゃいけないという使命感になっていたので。まあそれが1度、同じフランスで2019年のグランプリシリーズ、すごいとてつもない悪い演技をした時に、そのー、意外と別に失敗しても、成績は落ちるけれど、何か本当に終わってしまうというものではないんだなあっていうのを気付かされ、そして優真くんの成長を間近で見ているときに、昔の僕もずっと上を向いて、上だけを見て練習してた日々っていうのを、なんか思い出しましたし。またなんか、僕はもう少し尊敬される先輩、なんか、お手本になれるような先輩で、もう少しなりたいなあっていう気持ちが出てきて。その結果、少しでもこのまま現状維持をしていたら、もうすぐに追い抜かされて、もう今でも優真くんの方がうまいところばかりですけれど。何とか今シーズン食らいつけているのは本当に優真くんの影響が大きいと思います」

 ―あなたはスケーターとしてすごく伝統的なその歌詞のないクラシックから歌詞付きのいろんな曲もなんでもこなせるように見える。それはここ数年、ステファン先生と一緒にやってきたからか。

 「えーと、僕はその振り付けの、あの、曲を自分で決めたことが全くないので。これをやるよっと言われて、それをずっとやってきているので。僕はどっちかっていうと、新しい引き出しを作るというよりも、できてるやつをやった方が、どうしても楽なので。そういう思考に自分で考えてしまうとなってしまうので、本当にコーチのみなさんにお任せして。あのー、作っているのでまあそこの真意は僕ではなく、コーチに聞いていただけると詳しい話が聞けると思います」

 ―宇野選手自身、この先のスケート人生何か思い描いていることは。

 「ええ、今考えて、まあ今シーズンは、このまあ明後日やるフリープログラム、このプログラムをどれだけできなくても、今年一年挑戦し続けようと思って、今シーズンは始めました。思いのほか、この1年で自分が想像していたよりも早く成長することができたと思っています。今、僕が一番目標にしている選手像と言いますか、まあ一番イメージしやすいのは、ネーサン・チェン選手のような、まず選手になること。そのー、あれだけの一番難しい構成をやっている選手が、一番安定している。そんな選手が4年間ずっといたので、そのような選手にまず、一人やれているってことは、僕も必ずやれることなんじゃないかなと思うので、そこをまず目指しています。その後っていうのも、大きくは考えてはいないんですけれども、僕が可能な限り、次の年、その次の年、どんどん新しいものに挑戦して、どんどん成長し続けていきたいなと思ってはいます」

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