11月開幕のカタールW杯の組み合わせ抽選会が4月1日(日本時間2日午前1時)に行われる。初の8強入りを目指す日本は第3ポット入りが確実。天国の組か、地獄の組か。2月10日発表分のFIFAランキングを基に、森保ジャパンの“運命のドロー”をサッカー担当の岡島智哉記者が展望する。
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今大会はイタリアを除き、FIFAランク上位国が順当に本大会出場を決めた。「第1ポット」の8か国には優勝候補がズラリと並ぶ。18年ロシア大会で第4ポットだった日本は、第1ポットの中で最も力が劣るとみられたポーランドと同組になる幸運に恵まれた。しかし、今回の第1ポットに“当たりくじ”は見当たらない。
今大会の抽選会のカギを握るのは、第1ポットから漏れて第2ポットとなった強豪ドイツか。本大会では、各組2チームが決勝トーナメントに進出する。第1ポットに優勝候補が並ぶ以上、第3ポット以下の国は“2位狙い”の戦法をとるのが一般的。第2ポットに与(くみ)しやすい相手が入ることが望ましい。直近5大会で優勝1度、準優勝2度、3位2度のドイツはもちろん、オランダやメキシコなどとの同組も避けたい。
日本にとって最も“地獄”となる組み分けは【フランス・ドイツ・エクアドル】とみる。フランスのタレント力は世界一。ドイツも手堅い上に、エクアドルはチリ、コロンビアなどを差し置いて南米4位になった実力国。アルゼンチンと同じ27得点(南米予選2位タイ)を記録するなど攻撃力は侮れない。また【ブラジル・ドイツ・欧州PO枠】も過酷な戦いは避けられない。PO枠はウェールズ、ウクライナ、スコットランドのいずれかだが、3か国とも昨年の欧州選手権で奮闘した実力国だ。
一方、日本にとって比較的“天国”と言えそうな組み合わせも探りたい。第1ポットは、8か国の中で唯一予選突破に苦戦したポルトガルか。したたかな強国が名を連ねる第2ポットだが、米国とスイスは1つレベルが落ちるとみられる。第4ポットは欧州や南米勢を避けたいところ。【ポルトガル・米国・ガーナ】または【ポルトガル・スイス・ニュージーランドorコスタリカ】の組み合わせがベストか。(岡島 智哉)
◆W杯抽選会の仕組み
▽日時 4月1日(日本時間2日午前1時)にカタール・ドーハで開催
▽ポット分け 31日発表のFIFAランキング上位から8チームずつを第1~4ポットに分けてシードを決定。同じポットのチームは必ず別組となる。開催国のカタールはランキング順位に関係なく第1ポット。ドローを行い、各ポットの8か国が8組に分けられる。
▽同地域の同組 原則、同大陸連盟のチームは同組にならない。ただし13か国が参加する欧州は、1組に2チームまでが同組。
▽特例 ロシアのウクライナ侵攻を受け、欧州プレーオフに参加するウクライナの試合が6月に順延。ウクライナとスコットランドの勝者がウェールズと対戦する。大陸間プレーオフ2試合(ニュージーランド対コスタリカ、ペルー対アジア5位)も6月開催。