中村憲剛氏、「同じ絵」を描ければ競争はより前向きなものとなる

ホームでベトナムと引き分け肩を落とす日本イレブン(カメラ・宮崎 亮太)
ホームでベトナムと引き分け肩を落とす日本イレブン(カメラ・宮崎 亮太)

◆カタールW杯アジア最終予選▽B組第10戦 日本1―1ベトナム(29日・埼玉)

 元日本代表の中村憲剛氏(41)が、森保ジャパンが先発9人を入れ替えて格下のベトナムと1―1で引き分けたW杯アジア最終予選最終戦を総括。同じ「絵」を見ることの重要性を説いた。

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 ベトナム戦は非常に難しい試合になった。オーストラリア戦から先発9人を入れ替えた。W杯最終予選で苦しい戦いを強いられる中、試合に出られない私情を殺してチームのために行動してきた選手たちがピッチに立つ。W杯メンバー生き残りへ、アピールしたい。ここで結果を残したい。そこに予選で耐えてきた思いが重なる。様々な感情が入り交ざっていることをプレーから感じ取れた。

 特に攻撃はうまくいかなかった印象だ。例えば、右FWで起用された久保が左サイドで絡みに行く動き。監督からゴーサインが出されていただろうし、練習でうまくいった形なのかもしれない。いずれにせよ久保のその動きを周囲が理解し、連動する機会が少なかったこと、また久保も自分がそう動くことで何ができるかを見せきれなかったため、久保がこう動けば周囲はこう動くといったような、ピッチ内で「同じ絵」を描ける回数が少なかった。

 私も同じような経験がある。2009年のW杯最終予選。アウェーのウズベキスタン戦で南アフリカW杯出場を決め、ホームでカタール戦を迎えた。ベトナム戦と同じように先発を入れ替え、同じような問題に直面し、結果も同じ1―1。先発の入れ替えで相互理解が難しくなり、生き残りへの競争意識もあった。このような試合では、選手に課すタスクをいかに明確にできるかが非常に重要だ。「同じ絵」がないと、ベトナム戦のような試合になってしまう。

 今後はW杯メンバー入りへ向けた競争が本格化し、予選で中核(コア)を成したメンバーも一度スタートラインに戻る。新たな選手、新たな組み合わせが試されることになるだろう。選手なら誰しもW杯に出たいと強く願っているし、巡ってきたチャンスをものにしたいと思う。そこに共通した「絵」を用意できれば、競争はより前向きなものとなり、チームとしての上積みにもつながる。本大会まで8か月。チームがどう変化していくのか。楽しみであり、上積みを期待したい。(元日本代表、川崎MF)

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