【森永卓郎の本音】「電力安全保障どうする」…3・22東電管内1都8県に初の「電力需給逼迫警報」

スポーツ報知
森永卓郎氏

 3月22日に政府は、東京電力管内の1都8県に、初の「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を出した。震災で火力発電所が停止しているところに、気温が下がって電力需要が増えたからだ。こうした事態は、これからも災害が起きるたびに繰り返されるだろう。だから、電力安全保障強化が必要だ。

 一つの対策は、電力融通の拡大だ。今回東電は大手7社からの電力融通を受けた。しかし、西日本からの受電には限界がある。周波数変換設備の能力に上限があるからだ。だから変換設備の能力拡大を図ることが必要だが、思い切って周波数を統一することを考えても良いのではないか。専門家は難しいと口をそろえるが、少なくとも大部分の家電製品はどちらの周波数でも稼働する形になっている。覚悟を決めればできない話ではないだろう。

 もう一つの対策は、ゼロエネルギー住宅の普及だ。太陽光発電と蓄電池を組み合わせれば、電気の実質的な自給自足は、すでに可能になっている。それを一気に普及させるのだ。太陽光発電の普及率は9%に過ぎない。まだ9割の屋根が空いているのだ。それを活用するようにすれば、安全保障は大幅に強化される。

 さらに、最近の電力不足が寒い時期に起きているのは、暖房がエアコンに移行しているからだ。しかし、今後の温暖化対策を考えたら、一番有利な暖房方法は、薪(まき)ストーブだろう。間伐材で暖を取れば、二酸化炭素の排出量はゼロになる。

 問題は、大都市中心部では使えないということだ。しかし、リモートワークが普及した今こそ、高層化を中心にした住宅政策を改め、薪ストーブの普及を促進すべきではないか。それで余った電力は、自家用車の充電に回せばよい。そうすれば、国際情勢に振り回されることもなくなるのだ。(経済アナリスト・森永卓郎)

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