戦力充実の国学院大、箱根路制覇へ 4本柱+「5年生」島崎慎愛

スポーツ報知
島崎慎愛

 間もなく新年度がスタートする。注目は国学院大だ。全日本学生ハーフマラソン(3月13日)を制した平林清澄、全日本実業団ハーフマラソン(2月13日)で日本人学生歴代2位と好走した山本歩夢の新2年コンビは学生トップクラス。中西大翔主将(新4年)、伊地知賢造(新3年)を加えた「4本柱」は強力だ。さらに昨年の出雲駅伝、全日本大学駅伝で好走した島崎慎愛(現4年)が5年目もチームに残留することが決定。戦力充実の国学院大はダークホース以上の存在となる。

 2022年度は、国学院大が面白い。

 今年1月の第98回箱根駅伝で8位。シード権(10位以内)獲得をチーム史上最長の4年に伸ばした。その後、新チームの勢いはすさまじい。

 学生が特別参加した全日本実業団ハーフマラソンで山本が従来の日本人学生最高記録(1時間50秒、駒大・村山謙太)を超える1時間43秒で8位と激走した。日本人学生最高は1時間40秒で走破した駒大の山野力(3年)に譲ったが、堂々の歴代2位。一躍、学生トップクラスのランナーとして名を上げた。

 日本学生ハーフマラソンでは平林が約14キロで抜け出して1時間1分50秒で優勝。21年度はルーキーながら箱根駅伝9区2位など学生3大駅伝通じて活躍した平林は改めて学生トップレベルの実力を示した。

 2位も新主将の中西大翔(3年)が続き、国学院大がワンツーフィニッシュ。2人そろってユニバーシアード(6~7月、中国・成都)の日本代表に内定した。さらに伊地知賢造(3年)も8位入賞。入賞者は最多の3人となった。平林は「ユニバーシアードではメダルを取りたい」と優勝に満足することなく、意欲的に話した。

 今年の箱根駅伝では伊地知が2区12位、山本が3区5位、中西大が4区4位、平林が9区2位と主要区間で健闘した。来年の箱根路もこの4人が主軸となる。「国学院大の4本柱です」と前田康弘監督(44)は胸を張って話す。

 実は、もうひとり、頼りになる選手がいる。本来、今春、卒業する予定だった島崎だ。「5年生」としてチームに残ることが決まった。「学業も競技も覚悟を持って5年目に挑もう。島崎と固い約束をしました」と前田監督は明かす。

 島崎は1年時に箱根駅伝予選会と本戦いずれも選手登録されていないため、5年目も出場資格を持つ。2、3年時は6区を走り、8位、4位と好走した。4年時は出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに1区で6位、3位。チームに流れを引き寄せた。箱根駅伝も1区を担う予定だったが、直前に右太もも裏を故障したため、無念の欠場となった。それだけに5年目にかける思いは強い。1区と6区のスペシャリスト。箱根駅伝では往路、復路ともスタートを安心して任せられる貴重な人材だ。

 「競技以前の問題として、チームメートに気を使わせないように心がけています。箱根駅伝では次こそ1区を走りたいと思っていますが、チームのためにどの区間でも走る心構えができています」と島崎は誠実に話す。

 近年では、20年度に青学大の竹石尚人が「5年生」としてチームに残った。箱根駅伝では5区17位に終わったものの、5年目の10月に1万メートルで自己ベストを30秒以上も更新する28分50秒63をマークするなど、懸命に競技に取り組む姿勢はチームに好影響を与えた。22年度の国学院大にとって「5年生」島崎はキーパーソンとなることは間違いない。

 「中西大、伊地知、平林、山本が国学院大の4本柱です。島崎は4本柱プラス1の存在。最高の最後の1年にしてほしい」と前田監督は期待と信頼を込めて話す。島崎も「チームにとってプラスとなる存在になれるように頑張ります」と指揮官と同じく「プラス」という言葉で、5年目にかける思いを明かした。「右足の親指を痛めていましたが、先週からポイント練習を再開しました。ちょうど新入生と同じ練習メニューをやらせてもらっています。初心に帰って走っています」と島崎は充実した様子で話す。

 3年時から主将を務めた木付琳、4年連続で1区を駆けた藤木宏太、2年連続で5区を上った殿地琢朗ら強力な選手は卒業するが、日本学生ハーフで31位と健闘した鶴元太、上りの走りに適性がある佐藤快成ら、平林、山本以外にも新2年には逸材がそろう。中西大主将の双子の兄の中西唯翔、坂本健悟ら学生3大駅伝経験者の最上級生もおり、選手層は厚い。

 2019年度には土方英和(現ホンダ)、浦野雄平(現富士通)らを擁して出雲駅伝優勝、箱根駅伝3位というチーム史上最高成績を残した。2022年度のチームは、3季前のチーム超えを目指す。「来年の箱根駅伝で勝負できるチームを作っていきたい」と主将の中西大は目を輝かせて話す。2022年度の国学院大は、箱根の山の頂上を極める力を秘めている。(竹内 達朗)

 ◇箱根駅伝の出場資格

 ▽回数 戦前は制限がなく、日大の曽根茂は1927~1934年に8回も出場した。現在は登録を含めて4回まで。

 ▽年齢 1992年まで27歳以下の制限があり、1987年に28歳だった駒大4年の大八木弘明(現監督)は出場できなかった。戦前や現在は年齢制限なし。1939年に33歳131日で5区区間賞に輝いた村社講平(中大)が最高齢出場とされている。今年、駿河台大4年の今井隆生は31歳124日で4区に出場した。

 ◆国学院大 大学創立は1882年。陸上部創部は正確な記録はないが、1928年に関東学生対校選手権出場の記録が残る。箱根駅伝には2001年に初出場。最高成績は2020年の3位。2019年の出雲駅伝で学生3大駅伝通じて初優勝を果たした。全日本大学駅伝の最高成績は2021年の4位。タスキの色は赤紫に黒の縁取り。

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