【箱根への道】国学院大・前田監督、頂点へ「5年生」島崎慎愛がキーパーソン「最高の1年にしてほしい」

スポーツ報知
島崎慎愛

 間もなく新年度がスタートする。注目は国学院大だ。日本学生ハーフマラソン(13日)を制した平林清澄、全日本実業団ハーフマラソン(2月13日)で日本人学生歴代2位と好走した山本歩夢の新2年コンビは学生トップクラス。中西大翔主将(新4年)、伊地知賢造(新3年)を加えた「4本柱」は強力だ。さらに昨年の出雲駅伝、全日本大学駅伝で好走した島崎慎愛(現4年)が5年目もチームに残留することが決定。戦力充実の国学院大はダークホース以上の存在となる。

 国学院大が面白い。今年の箱根駅伝は8位で、シード権(10位以内)獲得をチーム史上最長の4年に伸ばした。その後、新チームの勢いがすさまじい。

 学生が特別参加した全日本実業団ハーフマラソンで山本が日本人学生歴代2位の1時間43秒で8位と激走。一躍、学生トップクラスのランナーとして名を上げた。

 日本学生ハーフマラソンでは平林が1時間1分50秒で優勝。21年度はルーキーながら学生3大駅伝で活躍した平林は改めて学生トップレベルの実力を示した。さらに、主将の中西大が2位。伊地知も8位入賞。入賞者は最多の3人となった。平林、中西大は世界ユニバーシティー大会(6~7月、中国・成都)の日本代表に内定。平林は「メダルを取りたい」と意気込む。

 今年の箱根では伊地知が2区12位、山本が3区5位、中西大が4区4位、平林が9区2位と主要区間で健闘した。来年の箱根路でも主軸となる。「国学院大の4本柱です」と前田康弘監督(44)は胸を張って話す。

 実は、もうひとり、頼りになる選手がいる。本来、今春、卒業する予定だった島崎だ。「5年生」としてチームに残ることが決まった。「学業も競技も覚悟を持って5年目に挑もう。島崎と固い約束をしました」と前田監督は明かす。

 島崎は1年時に箱根の予選会、本戦いずれも選手登録されていないため、5年目も出場資格を持つ。2、3年時は6区で8位、4位と好走した。4年時は出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに1区で6位、3位。チームに流れを引き寄せた。箱根でも1区出走予定だったが、直前に右太もも裏を故障したため、無念の欠場となった。1区と6区のスペシャリスト。往路、復路ともスタートを安心して任せられる貴重な人材だ。島崎は「まず第一にチームメートに気を使わせないように心がけています。箱根駅伝では次こそ1区を走りたいと思っていますが、チームのためにどの区間でも走る心構えができています」と誠実に話した。

 近年では20年度に青学大の竹石尚人が「5年生」としてチームに残った。最後の箱根では5区17位に終わったものの、5年目の秋に1万メートルで自己ベストを30秒以上も更新する28分50秒63をマークするなど、懸命に競技に取り組む姿勢はチームに好影響を与えた。

 22年度の国学院大にとって「5年生」島崎がキーパーソンとなる。「中西大、伊地知、平林、山本が国学院大の4本柱です。島崎は4本柱プラス1の存在。最高の最後の1年にしてほしい」と前田監督は期待する。

 日本学生ハーフで31位と踏ん張った鶴元太、上りの走りに適性がある佐藤快成ら、平林、山本以外にも新2年には逸材がそろう。中西大主将の双子の兄の中西唯翔、坂本健悟ら3大駅伝経験者の最上級生もおり、選手層は厚い。土方英和(現ホンダ)、浦野雄平(現富士通)らを擁し、出雲優勝、箱根3位のチーム最高成績を残した19年度のチームに迫る戦力がある。

 「来年の箱根駅伝で勝負できるチームを作っていきたい」と主将の中西大は目を輝かせて話す。2022年度の国学院大は、箱根の山の頂上を極める力を秘めている。(竹内 達朗)

 ◆箱根駅伝の出場資格

 ▽回数 戦前は制限がなく、日大の曽根茂は27~34年に8回も出場。現在は登録を含めて4回まで。

 ▽年齢 1992年まで27歳以下の制限があり、87年に28歳だった駒大4年の大八木弘明(現監督)は出場できなかった。戦前や現在は年齢制限なし。39年に33歳131日で5区区間賞に輝いた村社講平(中大)が最高齢出場。今年、駿河台大4年の今井隆生は31歳124日で4区に出場した。

 ◆国学院大 大学創立は1882年。陸上部創部は正確な記録はないが、1928年に関東学生対校選手権出場の記録が残る。箱根駅伝には2001年に初出場。最高成績は20年の3位。19年の出雲駅伝で学生3大駅伝を通じて初優勝を果たした。全日本大学駅伝の最高成績は21年の4位。タスキの色は赤紫に黒の縁取り。

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