【センバツ】市和歌山・米田天翼、花巻東を力でねじ伏せた熱投153球

花巻東に完投勝利し、雄たけびを上げる市和歌山・米田(カメラ・谷口 健二)
花巻東に完投勝利し、雄たけびを上げる市和歌山・米田(カメラ・谷口 健二)

◆第94回センバツ高校野球大会 第5日 ▽1回戦 市和歌山5―4花巻東(23日・甲子園)

 最速149キロ右腕の市和歌山・米田天翼(つばさ)投手(3年)は153球の熱投で4失点完投。高校通算56発を誇る花巻東(岩手)の2年生スラッガー・佐々木麟太郎一塁手を4打数無安打に封じた。

 5―4の9回2死二、三塁、市和歌山のエース・米田は最後も直球を投げた。詰まった打球は高々と上がり、ファウルゾーンの左翼手のグラブへ。「自信のある直球で押し切れたことで感情が全面に出ました」。マウンド上で3度グラブをたたき、雄たけびを上げた。

 高校通算56本塁打の“怪物”佐々木を擁する花巻東打線と真っ向勝負した。153球の熱投で4失点完投。佐々木に対しては第1、2打席ともに高め直球で空振り三振を奪い、第3打席はこの日の最速145キロで三飛にねじ伏せた。「近めの速い球を見せて詰まらせていく」と内角攻めを徹底し、今大会注目度ナンバーワン打者を4打数無安打に封じた。視察した巨人の水野スカウト部長は「真っすぐに球威、力強さがある」、中日の松永スカウト部長は「真っすぐの強さと制球力が魅力」と評価した。

 中盤からはテンポを上げ、ツーシームや100キロ台のカーブを交えた。緩いカーブは「刺激をもらえる存在」という京都国際のエース・森下瑠大から1月上旬にSNSを通じて教わったという。新型コロナウイルスの集団感染で出場を辞退した同学年左腕から教わった球種は打者を幻惑した。

 完投を支えたのは冬の体づくりだ。母・瑞緒さんは、11月上旬ごろから弁当に加えて1日8~10個のおにぎりを作り、体重は2~3キロアップ。今大会までに握ったおにぎりは1000個以上。「祖母にも手伝ってもらいながら作りました。力になっているのならうれしい」と、息子の活躍をアルプス席から見つめた。

 昨年は明豊(大分)との2回戦に先発して4回1失点。攻めの投球ができずにチームも敗れ、悔しさを味わったが「今年は成長を見せられた」と米田。エースとして大きな一歩を踏み出した。(南 樹広)

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