タレントのキャシー中島(70)がこのほどスポーツ報知の取材に応じ、昨年手術を受けた皮膚がんの経過や、50年間親しむキルトへの愛を語った。
先月6日に古希を迎え、芸歴は50年を超えた。「こんなに元気に長く続けてこられるとは思わなかった。皆さんに感謝し、これからも前進し続けたいですね」
常に前向きなキャシーだが、耐えがたい悲しみもあった。2009年、長女・勝野七奈美さんが肺がんのため、29歳の若さで他界。「娘のことを話すと今でもこうして涙が出てきてしまいます。ただ、ずっと悲しみの中に暮らしてはいけないし、娘もそれは望んでいないと思います。だから、前だけを見て歩んできました」
自身も16年と21年に2度の基底細胞皮膚がんを患った。昨年の手術で22針縫った右鼻の横を指し「ここ見て。全然分からないでしょ」と笑みを浮かべ、「最初がんが見つかった時は、とても不安でした。でも今は経過も良好。5年後に再発するかもしれないけど、その時はまた手術で切ればいいですから」と前を向く。
まな娘との別れや、自身の病気から立ち上がるきっかけとなったのが、20歳から親しむキルトだという。
「娘を亡くした時もキルトを縫っていると次第に気持ちが明るく、穏やかになっていったんです。キルトが私をいつも平常心にさせてくれました」
ハワイの植物などをモチーフにする「ハワイアンキルト」の第一人者として、日本にその魅力を普及。経営する全国各地のキルト教室には、30代前半から95歳の生徒800人超が通う。
「もうキルト教室を始めて45年になりますが、ずっとキルトに恋をしています。キルトを愛する生徒さんが増え、仕事や子育ての息抜きの場にもなっていることは幸せなことです」
古希を迎え、新たな挑戦として「第1回東京キルトショー」(25~28日、東京・TOC五反田メッセ)を開催。人気キルト作家らの作品を約100作を展示する。
「コロナ禍で大規模なキルトショーが中止となってしまった。キルターたちの発表の場や、若い人にもキルトを知ってもらうために、このキルトショーを継続していくことが70代のテーマの一つです」。色とりどりのキルトに囲まれ、パワフルで温かな笑顔がはじけた。(奥津 友希乃)
◆キャシー中島 本名・勝野八千代。1952年2月6日、米ハワイ生まれ。69年にモデルとして芸能界入り。72年に歌手デビュー、同年TBS系「ぎんざNOW!」で司会アシスタントを務め人気を得る。79年、俳優・勝野洋と結婚。1男2女を出産。21年に日本キルト協会代表理事就任。BSJapanextで28日開始の冠番組「キャシー中島のHappyレシピ作ってみて!」(月~金曜・正午)に出演予定。