◆オープン戦 巨人1―2楽天(20日・東京ドーム)
楽天・和田恋外野手(26)が終盤に一発でを放った。
会心の当たりだった。和田の放った打球は大きな弧を描いて、右翼席に吸い込まれた。1―0の8回1死で畠の147キロ直球を仕留めた。「一番良い結果が出てよかった。気持ちよかったです」と球団初のオープン戦Vを呼び込む東京D初アーチの味をかみ締めた。
昨年のオープン戦の試合前には原監督から「引っ張れるようになったか?」と声を掛けられた。その時は言葉の真意が理解できなかったが、時間がたつにつれて「長打が打てる打者は引っ張りができる」と原監督の問いに対する自分なりの答えを出した。昨秋のフェニックス・リーグから今年のキャンプも一貫して「左方向へ強い打球を飛ばす」ことに磨きをかけてきた。2月の練習試合から数えて実に4発目。この日の一発は逆方向だったが、恩師に成長した姿を示した。
8回裏には1歳下でかつてのライバルだった岡本和が左翼席へ一発を放った。「同じ試合で本塁打を打てたのはうれしい気持ち。変化球に泳ぎながらも片手一本であそこまで飛ばすというのは、さすがホームランキングやなと」といたずらな表情で笑った。初の開幕1軍のみならず、スタメンも当確したが「僕の代わりはいっぱいいる。隙は見せない」と慢心はない。高卒9年目の26歳。“恋の季節”がやってくる。(長井 毅)