【センバツ】120キロ以下でも23者連続アウト 九州国際大付・香西一希が4回以降完璧「緩急とコントロール」

九州国際大付先発の香西一希(カメラ・岩崎 龍一)
九州国際大付先発の香西一希(カメラ・岩崎 龍一)

◆第94回センバツ高校野球大会第1日 ▽1回戦 九州国際大付3x―2クラーク記念国際=延長10回=(19日・甲子園)

 優勝候補の一角に挙げられる昨秋の九州王者・九州国際大付(福岡)が、大会注目の2年生スラッガー・佐倉侠史朗一塁手の左翼へのサヨナラ邪犠飛で、延長にまでもつれこんだ接戦を制した。試合を決めた佐倉は「すごくうれしかった」と、両手をたたいて喜んだ。

 サヨナラ勝ちの裏には、香西一希投手(3年)の快投があった。初回に2安打を許して先取点を献上。逆転した直後の3回にも2安打を許して追いつかれた。「しっかりキャッチャーの野田と話して配球、攻め方を変えられたと思います。ほとんど変化球で低め、低めでゴロを打たせることを意識しました。チェンジアップで攻めたら抑えられると思った」。直球中心の投球からチェンジアップ、カーブなどの変化球を主体にした投球に切り替えたことで、粘りの投球を見せた。

 打たせて取る。5回にはたった3球で1イニングを終えた。6回以降は120キロを超えるボールが1球もなかったが、丁寧に低めに投げ込んだ。終わってみれば、3回1死から延長10回まで23者連続アウト。10回で103球を投げ、4安打2失点、3奪三振で無四球だった。踏ん張ってつかんだ勝利に「素直にうれしいという気持ち、それだけです」とうなずいた。

 昨夏にはまっすぐでの勝負にこだわったあまり打ち込まれ、緩急を使うことの重要性を楠城監督らから説かれた。指揮官は「(試合中に)『もう少しカーブをうまく使いなさい』と。それで打ち取ることが出来てリズムに乗ったと思います」と称賛。打たせて取るスタイルの香西に合わせて内野守備を強化したとあって「打線、バッティングは水物ということは100も承知。いつでも頼りになるのは守り。その辺はひと冬本当にみっちり練習させてきました」と納得だった。

 香西は次戦に向けて「次は初回から緩急とコントロールを意識してやっていきたいです」と気合を入れ直していた。

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