広島からポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた鈴木誠也外野手(27)が、カブスと基本合意したことが16日、分かった。5年契約で、総額8500万ドル(約100億5000万円)前後の大型契約とみられる。日本人野手の1年目契約では、福留(現中日)が08年にカブスと結んだ総額4800万ドル(約56億8000万円)の4年契約を大幅に上回る史上最高額。投手では14年にヤンキース入りした田中将(現楽天)の7年総額1億5500万ドル(約180億円)がおり、それに次ぐ高額契約だ。
カブスは昨季、優勝争いから脱落すると、リゾ、バイエス、ブライアントと16年世界一に貢献した強打の3選手を相次いで放出した。そのため、左翼のハップこそ25本塁打を放ったが、中堅オルテガが11発、32歳のヘイワードが8発と打線が一気に弱体化。強打者補強が急務で、チーム再建を目指すナ・リーグ伝統球団は鈴木の獲得を目指していた。
昨年11月のポスティングシステム申請後、複数球団と交渉していたが、12月初旬に旧労使協定が失効したため交渉が中断。新協定の締結に伴って交渉が再開され、新天地が決まった。鈴木に関しては、本拠ペトコ・パークを訪問したパドレスと合意に達したという一部報道もあったが、自身のSNSで否定していた。
◆鈴木 誠也(すずき・せいや)1994年8月18日、東京都生まれ。27歳。二松学舎大付高から、12年ドラフト2位で広島入り。16年にレギュラーに定着して25年ぶりのリーグ制覇に貢献し、緒方監督(当時)が鈴木を評した「神ってる」が同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」年間大賞。通算902試合出場で打率3割1分5厘、182本塁打、562打点。首位打者、最高出塁率各2回、ベストナイン6回、ゴールデン・グラブ賞5回。181センチ、98キロ。右投右打。
◆シカゴ・カブス 1876年創設。本拠地リグレー・フィールドは1914年にフェデラル・リーグのシカゴ・ホエールズの本拠として完成。カブスは16年から使用していた。「野球は太陽の下でやるべき」とのオーナーの意見で夜間照明設置は1988年と最も遅かった。日本人では過去に和田、藤川、高橋尚、福留、田口、上原、ダルビッシュが所属。2016年に108年ぶり3度目の世界一。デビッド・ロス監督は今季が3年目。