【プチ鹿島の本音】「まるで刑務所」「痛い、痛い」入国管理センター“おもてなし”の現実

スポーツ報知
プチ鹿島

 「牛久」という映画を見ました。茨城県牛久市の「東日本入国管理センター」に収容されている外国人の証言を集めたドキュメンタリー。

 この施設には難民申請をしている人も多くいる。しかしその声は「施設の外」にはなかなか届かない。名古屋の入管ではスリランカ出身のウィシュマさんの死亡事件があった。一体そこで何がおこなわれているのか。映画ではトーマス・アッシュ監督が面会室のアクリル板越しに撮影した証言が次々に出てくる。「まるで刑務所のよう」という訴えもあった。当事者たちの了解を得て“隠し撮り”という手法で記録した。

 さらに驚いたのは証言者の1人であるクルド人のデニズさんが職員たちに囲まれて「制圧」されている場面。デニズさんは「痛い、痛い」と叫びながら床に引き倒されていた。これはどうやって撮影したのかと思ったら入管側が撮影した映像という(私は試写会で見たので監督が質疑応答で述べていた)。デニズさんがこの件で裁判を起こしたので弁護士が証拠として入手したのだ。いろいろ驚きました。多くの人に見てほしい作品です。

 共同通信記者の平野雄吾氏の「ルポ入管―絶望の外国人収容施設」(ちくま新書・2020年)によると、近年「仮放免」の許可を出さない傾向が強まっているといいます。転機となったのは2013年の東京五輪の開催決定だった。

 《入管当局の担当者は収容強化の理由を東京五輪に向けた治安対策だと明言し、「外国人犯罪が増えれば、五輪の成功に水を差す」と説明した》(同書より)

 しかし収容者の多くは保護を求めて来日した難民申請中の人だ。「おもてなし」の現実です。岸田首相はウクライナ避難民の受け入れを人道的な観点と言いましたがこちらはどう考えているのでしょうか。(プチ鹿島=時事芸人)

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