◆オープン戦 広島1―4日本ハム(12日・マツダスタジアム)
日本ハムのビッグボス新庄監督が12日、広島戦(マツダ)で選手による“代理監督”第2弾を実施した。11日に自身のインスタグラムで予告していた通り、選手会長の近藤にオーダー決定と試合中の采配を一任。大技小技で主導権を握り、逆転で快勝した。新庄監督は2月26日のDeNA戦(名護)で上沢が組んだオーダーとミックスさせるプランも披露した。
ベンチから、一塁コーチスボックスから、新庄監督は純粋に試合を楽しんでいた。審判へ選手交代の“伝令役”は務めても、試合は見てただけ。上沢に続く2人目の“代理監督”に指名した近藤に、全てを任せていた。理想的な展開での快勝に、試合後は広報を通じて「近藤監督と活躍した選手たちにきいてあげてください」。その後、インスタを更新し「近藤監督 ナイス采配」とたたえた。
近藤が代理監督を告げられたのは、9日のロッテ戦(鎌ケ谷)後。しかし帯同メンバーも把握しておらず、マネジャーにオーダーを提出したのは11日の23時だった。「小技もできつつ、万波1番で、調子いいのでいっぱい打席を回したいという狙いもありました」という苦心のオーダーが機能した。万波、浅間、高浜と母校・横浜高の後輩を3人起用。1点を追う5回は1死一塁からエンドランで一、三塁。続く清水がスクイズを決め、同点に追いついた。6回に連打で勝ち越すと、8回には万波のオープン戦5号ソロで追加点。9回にも犠打を絡めてダメ押しの1点を奪い、勝ちきった。
序盤、相手に傾きかけた流れは守りで引き寄せた。「上沢と森下投手の投げ合いだったので、守備もしっかりと意識した」と近藤。特に外野はキャンプからビッグボスが徹底してきた猛チャージで、4回は2死一、二塁からの右前打で万波が二塁走者に三塁を回らせず、5回は2死二塁から左前打で本塁を狙った小園を浅間が刺した。積み上げてきたものを、実戦の場でしっかり披露して見せた。
試合前、指揮官は指揮を託した意図を「参考がてら、野手の目線ではどういうスタメンで、どういう打順でくるのかなって。上沢くんでいったメンバーとミックスさせても面白いかな。あと、俺の脳みそが加われば」。代理監督の2つのオーダー×ビッグボス勘ピューター。急成長するチームの輪郭が、少しずつ浮かび上がってきた。(山口 泰史)