アーケードゲームのeスポーツ全国大会「闘神祭 2021 REVENGE MASTERCUP EXTRA」のFINAL ROUND(決勝大会)が12日、川崎市高津区のメガレイジ溝の口で開催された。昨年大会は、新型コロナウイルスの影響で無念の中止に。無観客開催ながら2年ぶりの復活を果たした今大会の意義について、株式会社タイトーの闘神祭プロデューサー・椎木庄平さん(36)に聞いた。
「闘神祭」はアーケードゲームを対象とした国内最大級のeスポーツイベントで、今回が6回目。新型コロナウイルスの影響で前回大会「闘神祭 2020」は中止となったが、「闘神祭 2021 REVENGE」として2年ぶりに復活した。
椎木プロデューサーは「ゲームセンターを運営する側として、“我々にできることは何か”を考えました」と話す。コロナ禍でさまざまなイベントが中止に追い込まれるなか「ちゃんと対策すれば(イベントを)開催できるという見本を示したかった」と力を込めた。
まず、これまで全国各地のゲームセンター店舗で行われていた予選大会の会場数をエリアに分けて絞った。大きな会場を2日間借りてレースゲームやパズルゲームなど多くのタイトルを一斉に行っていた決勝大会も見直し、タイトルごと別々に日を分けて行う方式を採用した。「復活を待ち望んでいるお客様のために、なんとかして“場所”を提供したいという思いがありました」
感染拡大により、アーケードゲーム業界は「とてつもない打撃を受けました」。いまだ収まる気配のない状況にタイトー社内でも開催について議論になったが、やるべきではないという意見はなかったという。「議論したのは『どうしたら開催できるだろうか』ということでした。もちろん闘神祭は来年度以降も続けていきます。闘神祭が復活したことで、他の大会が追随する流れをつくれればうれしいですね」と前を向いた。
この日行われたタイトルは、対戦格闘ゲームの『鉄拳7 FATED RETRIBUTION ROUND2』。全国予選を通過した16チームがトーナメント戦で激突した。決勝戦では頂上決戦にふさわしい一進一退の攻防の連続に、会場に残った敗退選手たちから盛大な拍手があがった。
久しぶりに味わう"ライブ"の空気感。「こんな時代でも、みんなが一緒に楽しめる場所は必要。ゲームは家でひとりでやるよりも、オープンな場で遊ぶ方が絶対に面白いんです」と椎木プロデューサーは笑顔で断言した。
試合は東京エリア代表のチーム「DONUTS USG」が激戦を勝ち抜き、「闘神祭21 覇軍」の称号を手にした。
【優勝した「DONUTS USG」メンバーのコメント】
▼PINYA選手「ドラマチックないい試合ができたのでよかった」
▼Rangchu選手「仲間がいたからいい成績につながったんだと思う」
▼Gen選手「勝ててよかった。これぞチーム戦、というところを見せられた」