◆明治安田生命J1リーグ ▽第3節 横浜FM2―0清水(6日、日産ス)
横浜FMは本拠で清水に2―0で勝利した。今季初の連勝で、開幕5連戦を3勝1分け1敗とした。J2町田から今季復帰したMF吉尾海夏が、初ゴールを挙げた。
一瞬だった。1―0の前半43分。ゴール前で相手DFに勢いよくプレスをかけ、相手のキックに右足を伸ばした。ボールは軌道を変え、そのままゴール内側へ。「決してきれいなゴールではなかった」というが、「自分が一番びっくりしている。あそこまでプレスにいけたことがゴールにつながったのかと思う。泥臭くゴールが取れて良かった」と振り返った。
ゴール直後には、胸のエンブレムを強く握りしめた。下部組織出身の23歳が、直近3年は仙台やJ2町田へと武者修行に出て、満を持しての復帰。マリノス初ゴールを「ここまでくるのに少し時間はかかってしまったけど、ゴールを取れた時は最高に気持ち良かった。入った瞬間なんとも言えなくて鳥肌がたった。帰ってきたんだぞっていうのと、やっとマリノスの勝利に貢献することと、スタートラインに立てたって気持ちがあった」とかみ締めた。
チームは多くの主力選手を負傷で欠く。柏戦、神戸戦と途中出場し、この日初の先発に名を連ねた。「誰が出てもマリノスのサッカーをして勝つところを見せたかった。個人ではとにかく結果。相手の嫌がるところで、相手の脅威となるプレーをするように心がけて、それをしてればおのずとゴールにも近づくかなと。やり続けることを意識した」。ボール奪取やキープ力、守備でも見せつけ、序盤から積極的な姿勢を貫いた。MF小池龍太の先制シーンでは、相手DFをつり上げて貢献。目に見える結果でも、前へと攻め続ける姿勢でも、しっかりと成長を示した。
試合に出続けるためにも、ますます激しさを帯びた競争に打ち勝たねばならない。ひとまわり大きくなって新たな一歩を踏み出した吉尾は、「自分が攻撃の起点になって、相手の嫌がるところで受けてうまく前に運んで、ゴールに絡むところをもっともっと出していきたい」と堂々と今後への意気込みを語った。