村岡桃佳が再びメダル量産へ…北京パラリンピック日本勢29選手出場

スポーツ報知
開会式で入場する日本選手団(ロイター)

 第13回冬季パラリンピック北京大会は4日夜、北京市の国家体育場(通称「鳥の巣」)で開会式が行われ、開幕した。2月20日の北京五輪閉幕直後の同24日にロシア軍がウクライナに侵攻。戦時下で開催される障害者スポーツの祭典となった。大会から排除されたロシアとベラルーシの約80人を除く、46か国・地域から約560人が参加し、13日までの10日間、6競技78種目でメダルを争う。日本勢はパラアイスホッケーと車いすカーリングを除く4競技に29選手が参加。前回平昌大会を上回る成績を目指す。

 日本選手団はノルディックスキー距離男子の川除大輝(日立ソリューションズJSC)を旗手に入場行進した。日本は前回の18年平昌大会で世界9位の10個のメダルを獲得。5日から始まる競技で日本勢はパラアイスホッケー、車いすカーリングを除く4競技に29選手が出場し、同5位相当の飛躍を目指す。

 日本の大黒柱はアルペンスキー女子で日本の主将を務める村岡桃佳(トヨタ自動車)だ。前回大会は出場全5種目で金1、銀2、銅2と大活躍。開幕前日の3日が誕生日で、「25歳の最初として自分にとっても日本選手団にとっても、いいスタートを切りたい」と気合いも十分。最新の世界ランキングでは5種目中2種目でトップ。1月中旬に練習中の転倒で右肘じん帯を痛め、影響が懸念された中、3日の滑降の公式練習では出場選手トップのタイムを出した。

 昨夏の東京パラリンピックでは車いすの100メートルで6位に入賞した。19年から始めた陸上との「二刀流」で、パラスポーツ界を代表する選手へと成長を遂げた。「スポーツが好きな人、そうでない人、障害者、健常者にかかわらず、いろんな人に見てほしい」。競技の魅力を伝える。

 緊迫した国際情勢が、障害者と健常者の「共生」を理念に掲げる大会に暗い影を落とす開会式となった。国際パラリンピック委員会(IPC)はロシアと、支援したベラルーシの出場を一度は条件付きで認めたが、一転して3日に排除を決定。大会スローガンの「一起向未来(共に未来へ)」には国際社会の連帯と、分け隔てない社会の実現への願いが込められたが、その望みは風前のともしびとなった。開催国・中国のパラスポーツ振興は強権による国威発揚の側面が色濃く、加えて戦時下と異常な状況だ。パラリンピックが掲げる「平和」と「共生」の理念が揺らいでいる。

 「とても皮肉な現実だ。大会にはさまざまなタイプの選手がいて、その多くが戦争でけがや障害を負っているのだから」。陸路で国境を越え、北京入りしたウクライナ・パラリンピック委員会のスシケビッチ会長は言葉を震わせた。

 IPCは3日、一度は「中立」な立場での出場を認めたロシア、ベラルーシ選手の全面除外に踏み切った。各国選手から異論が噴出し、前日に下した決断を撤回する混乱劇は、世界のスポーツ界に広がる「分断」を象徴した。

 「パラスポーツには団結を促す力があり、世界に一体性と平和への明確なメッセージを送ることができる」。IPCのパーソンズ会長が語る言葉には、祈りのような響きが伴う。分断が広がる社会に障害者スポーツの祭典が何を示すのか。10日間の熱戦で真価が試される。

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