【番記者の視点】浦和、逆転を許した悪夢の2分間…川崎との差は“たたみ掛ける力”

川崎に逆転負けし、肩を落とす浦和イレブン(カメラ・宮崎 亮太)
川崎に逆転負けし、肩を落とす浦和イレブン(カメラ・宮崎 亮太)

◆明治安田生命J1リーグ ▽第10節 川崎2―1浦和(2日・等々力)

 浦和はアウェーで川崎に1―2で敗れた。2連敗を喫し、2018年以来4年ぶりの開幕4戦勝ちなしとなった。

 悪夢の2分間だった。1―0の後半17分、左CKから川崎FW家長昭博に同点ゴールを被弾。その132秒後の同19分、MF脇坂泰斗の中央突破を止められず、最後はDF山根視来に逆転ゴールを許した。DF馬渡和彰は「あそこで耐えれば最低でも引き分けを持って帰れた。状況が悪くなりそうな時にはね返す力がチーム全体でもっと必要。川崎はそういうところでたたみ掛けてくるのは強いなと思った」と振り返った。

 たたみ掛ける力。同点に追いついた直後の川崎からは、逆転への気概がビシビシ伝わってきた。「失点後に1個(士気や運動量が)落ちてしまった」(MF関根貴大)と、浦和の選手の雰囲気が沈む中、プレー再開直後に川崎MFチャナティップがMF平野佑一に前線で猛烈プレス。これは警告を受けたが、2点目を取りきるんだという強いメッセージにも感じられた。浦和は球際の一歩の寄せが甘く、対人守備にたけたMF柴戸海が脇坂に鋭いターンで入れ替わられ、2~3人で囲みながらもボールを奪えずに失点につながった。

 ネガティブな要素はいくらでもある。16日間で5連戦、開幕前に選手5人が新型コロナウイルスの陽性判定、ケガ人の続出、前節まで2戦連続の退場者…。同監督は「この試合も違和感ある選手や、伊藤(敦樹)や江坂(任)ら開幕から出ずっぱりの選手もいて、小泉(佳穂)も復帰したばかり。難しい部分はあった」と苦しい胸中を明かした。

 先月12日の富士フイルム・スーパー杯で川崎を下し、J1優勝候補に挙げられながら、開幕から1分け3敗。4戦とも序盤から理想的な崩しで決定機を作りながらもたたみ掛けて追加点を決められず、運動量やプレー強度が落ちた後半に失点するゲームの連続。「チャンスは作ったけど、生かせなかった。これだけの日程で疲労がたまるのは当然。強度が落ちた時にどうするかが課題だ」と指揮官は言った。

 今季は移籍や引退など計20人がクラブを離れ、13人が新加入した。MF阿部勇樹(昨季で引退)やDF槙野智章(現神戸)ら、昨季まで苦しい時に“背中”や“声”でチームを鼓舞した選手はもういない。「うまくいかない時に1人1人が声を出して盛り上げるのが大事。1失点して、もう1回盛り返すくらいのチーム力が必要だと思う」と関根。チャンスでたたみ掛ける力、ピンチを耐える力。試合内容は「毎試合、良くなっている」(同監督)だけに、6日のホーム・湘南戦は浦和の真価が問われる。(星野 浩司)

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