米大リーグの労使交渉が1日(日本時間2日)、米フロリダ州ジュピターで行われたものの、デッドラインの午後5時(日本時間2日午前7時)までに合意に至らず、3月31日のレギュラーシーズン開幕の延期が決定。少なくとも開幕2カード分、計91試合の中止が決定した。
中止の試合の振替はなく、選手はその分無報酬となる。労使交渉決裂による公式戦の中止は、1995年のストライキ以来。機構側のロックアウトは史上4度目だが、公式戦短縮となれば史上初となる。
米メディアによると、締め切り約1時間前に、オーナー側が最終提案を提示。最低年俸は前回提示より2万5000ドル(2900万円)の上積みを伴い、70万ドル(約8000万円)。昨季の最低年俸57万500ドル(6500万円)から過去最高の上昇となったが、選手会側が不服としたのは、上積みがなかったぜいたく税と、最終的に両者の間に5500万ドル(63億円)の開きを残した年俸調停の資格を得る前の「スーパー2」対象のボーナスプール。選手会側は全会一致で最終案を却下し、交渉は物別れに終わった。
前日の交渉は午前2時半まで続き、合意に向けて前進したと思われた。この日の駆け込み交渉はシフト守備の制限、投球間隔を短縮するピッチクロック、ベースの拡大等など多岐に渡ったが、ボーナスプールと、ぜいたく税の最大懸案事項で両者の隔たりは埋まらなかった。
マンフレッド・コミッショナーは当地で会見。「公式戦の中止を避けるため、双方が努力したが、合意に至らず、ファンを落胆させる結果になった。若手に配慮した提案が受け入れられず残念だ」と、選手全体の約3分の2が、33%の年収増を得る提案だったと強調した。
両者は今日2日は交渉予定はないが、今後はニューヨークを拠点に交渉を続ける見込み。コミッショナーは「出来るだけ早く話し合いを再開したい」と語った。
ファンが落胆に沈む中、ロックアウトは継続。トレード市場も凍結が続き、ポスティングシステムでメジャー移籍を目指す鈴木誠也外野手の処遇も宙に浮き、事態は泥沼化してきた。