女子プロボクシングの世界5階級制覇王者でWBA女子世界フライ級(50・8キロ以下)王者・藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)が4月9日(日本時間10日)、米国テキサス州サンアントニオ・アラモドームでWBC王者マーレン・エスパーザ(米国)と統一戦を闘うことが1日、発表された。戦績は藤岡が19勝(7KO)2敗1分け、エスパルザは11勝(1KO)1敗。
この日、リモートでの取材に応じた藤岡は「自分に残された時間は少ない。一戦一戦、濃い試合をしたい。一番強い相手とやりたかったのでうれしい。テキサスは相手の地元。倒さないと勝てないと思っている。ひっくり返したら、デカイこと。レフェリーが止めてくれるような試合をしたい」と意気込みを語った。
46歳の藤岡は2009年9月、34歳でプロデビュー。11年5月にWBC女子世界ミニフライ級王座を獲得。その後、WBA同スーパーフライ級、WBO同バンタム級、WBA同フライ級、WBO同ライトフライ級各王座を獲得し、日本人ボクサーでは男女を通じて初、世界最多タイ(現在は世界2位)の5階級制覇を成し遂げた。フライ級王座に専念するため、ライトフライ級王座は返上している。18年9月にWBA暫定王者イルマ・サンチェス(メキシコ)に判定勝ちし、王座統一を果たした。昨年7月には米ロサンゼルスに渡り、スレム・ウルビナ(メキシコ)を判定で下し、日本人女子として初めて米国での世界戦勝利を成し遂げ、3度目の防衛に成功した。
32歳のエスパルザは2012年ロンドン五輪女子フライ級銅メダリストで、14年世界選手権では金メダルを獲得した。17年3月にプロデビュー。昨年6月、イベス・サモラ・シモラ(メキシコ)に判定勝ちし、WBC王者となった。昨年12月に初防衛に成功した。
日本女子ボクサーの、2団体以上の王者同士による統一戦は、15年10月のWBC女子世界アトム級王者・小関桃(青木)とWBA同級王者・宮尾綾香(大橋、現ワタナベ)戦が初めて。藤岡にとっては、今回、他団体との王座統一戦は初めてとなる。「できるなら、とは思っていたけど、そう強くは思っていなかった。ラッキー、という感じかな」と笑った藤岡だが、すでに次戦も指名試合が決まっているという。「前回アメリカで勝ったことで今回が決まった。だから、次につなげるためにも勝ちたいし、自分がやることで後輩たちもついてきてくれるはず。背中を見せたい。いい勝ち方をしたいです」と力強かった。