馬術日本一から障害専門ジョッキーへ 初陣迫る小牧加矢太騎手「活躍すれば新しい道ができる」

スポーツ報知
栗東トレセンで調教に励む小牧加矢太

 2022年度のJRA新人騎手10人が1日、プロとしてのキャリアをスタートさせた。異色の存在として注目されるのが、障害専門ジョッキーとしてデビューする小牧加矢太騎手=栗東・音無秀孝厩舎=だ。

 JRA通算908勝を挙げている小牧太騎手=栗東・フリー=の長男。中学卒業時にJRA競馬学校騎手課程を受験したが不合格となり、体が大きくなったため再受験を断念した。障害馬術の道に進むと数々の大会で活躍。2020年には全日本障害飛越選手権で優勝を果たした。その後、父から騎手になるチャンスがあると聞き、所属先の千葉・北総乗馬クラブを退社。25歳にして幼い頃からの夢をつかんだ。

 JRAによると、競馬学校騎手課程、または他の競馬機関に所属した経験がなく騎手になるのは「少なくとも競馬学校の設立(1982年)以降では初めて」という。前例のない挑戦に、加矢太騎手は「馬術と競馬の距離を近くする存在になれたら。僕が活躍すれば新しい道ができて、後に続く人が出てきてくれるのでは」と決意を語る。

 栗東トレセンでは、2月15日から調教にまたがっている。「楽しくて仕方ないです。天職だと感じています」と充実の表情。一方で実戦に向けては「スピードには慣れてきましたが、馬群を経験したことがないので不安はあります。行くところ、待つところが分からず、一発目は面食らうかも知れません」と冷静に自己分析する。

 自分なりの研究やイメージトレーニングを続けながら手本にしているのが、2019年からJRA賞最多勝利障害騎手を3年連続で受賞している森一馬騎手=栗東・松永昌博厩舎=だ。「常に勝負できるポジションにいて、うまいからけがも少ない。賢く競馬されている印象です」。自身が乗った調教の動画を見てもらうなどして、アドバイスももらっている。

 「飛越の前後でどうバランスを取るかなど、細かい部分まで教えていただいています。年齢が近くて『車好き』という共通点もあって、話しやすい先輩です」と感謝。森一騎手も「やはり馬乗りの基礎はしっかりしています。お互いのいいところを吸収し合って、障害レース全体のレベル向上につなげていければ」と、4学年下のルーキーの登場に刺激を受けているようだ。

 「父は合格した時は自分より喜んでくれましたが、昔から細かいことは言わない人。温かく見守ってくれている感じです」と加矢太騎手。現時点で初陣は12日以降になる見込みだが、障害馬術の日本チャンピオンがどんな競馬をするのか。トレセンで関係者を取材していても「やってみないと何とも言えない」という声が多い。全く予想もつかないからこそ、楽しみでならない。(中央競馬担当・吉村 達)

 ◆小牧 加矢太(こまき・かやた)1996年12月24日、兵庫県出身の25歳。栗東・音無秀孝厩舎所属。高校卒業後は千葉・北総乗馬クラブに所属し、障害馬術で13年ジュニアライダー障害飛越選手権、16年ヤングライダー障害飛越選手権、20年全日本障害飛越選手権など全国レベルの大会で多数優勝。父はJRAの小牧太騎手。171・4センチ、53キロ。血液型A。

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