月城かなとの魅力「読解力ある文系の人。計算うまい」「まず美しい。ストイック」月組東京宝塚劇場公演開幕

スポーツ報知

 宝塚歌劇月組公演「今夜、ロマンス劇場で」「FULL SWING!」が、客席リニューアルが施された東京宝塚劇場で25日に華々しく幕を開けた。昨年、誕生100周年を迎えた月組の新トップコンビ、月城(つきしろ)かなと&海乃美月(うみの・みつき)の東上お披露目作。新世紀に向かって好発進した。「芝居の月組」を引っ張るリーダー・月城の魅力を、演出家2人に語ってもらった。(筒井 政也)

 「今夜、ロマンス劇場で」は春が近づく今の時期にピッタリなハートウォーム・コメディー。綾瀬はるか&坂口健太郎の主演で2018年に公開された映画の舞台化だ。映画撮影所で働く助監督・健司(月城)が、古いモノクロ映画のフィルムから現実の世界にやってきた美雪(海乃)と奇妙な同居生活を始める。

 新コンビが重厚な演技を見せた始動作「川霧の橋」(昨年10、11月)に続いて演出を務める小柳奈穂子氏は「2人ともこれまで深い(=重い)芝居が多かったので、フレッシュな雰囲気を出せるハッピーエンドの作品に。主役の健司は一生分を描く長いスパンで、月城さんの演技力が生かせる。海乃の“娘役芸”との組み合わせも面白い」と製作の意図を説明した。

 今作で初めて宝塚に触れた人は、ちょっと不思議な気持ちになるはずだ。健司は誠実な性格だが、イマイチ冴(さ)えない青年で、映画の撮影現場ではトラブルに巻き込まれ、終始受け身。セリフはほぼ敬語。見えを切る、けれん味あふれる場面は、映画スター役の2番手・鳳月杏(ほうづき・あん)のみ。トップスターとしては、うま味がない役にも思えるが、月城が持ち前の柔軟さで体現させた。

 小柳氏は「タカラジェンヌって割と、体育会系が多い気がするんですが、月城さんは文系の人という印象。読解力がある。みんな『我も我も』という中で、引っ込み思案なところもあり、思慮深い。そこも個性だと思います」。11年目で、こちらも芝居巧者の相手役・海乃については「あねご肌というか、明るく引っ張ってるところがある」と、キャラクターの違いを作品に見事に生かした。

 健司は、宝塚ならではの“魔術”によって、さなぎがチョウになるように王子様へと変身を遂げる。「下からマックスへ、ギアを上げて抜く。月城さんじゃないとできない。計算がうまい」と小柳氏は称賛し、まくり&追い込みの爽快感を、G16勝の名馬・ゴールドシップに例えた。同馬は成績にムラがあったが、勝負どころの加速力を今後、月城の武器として注目したくなるコメントだ。

 興奮がピークに至ったところでショーの「FULL SWING!」へ。作・演出の三木章雄氏は、月城を「まず美しい。とても正統派。今の男役はちょっと身近な感じの人が人気がある気がするが、(月城は)ちょっと手の届かない、いい意味でのスター性がある」と高く評価した。

 ショーはジャズナンバーで繰り広げる大人な世界観で「ストイックな月城にはすごく合っている」と三木氏。「宝塚のスターには、行き切っちゃう人がいる。『すごいな』というぐらい燃焼する一方、それが暑苦しく見えると意味がなくなることも。その中で、月城さんのバランス感覚はいい。『冷静さ』と『熱さ』をちゃんとコントロールできるようになったら、すごい人になるんじゃないかな」と、眞帆志ぶきさん(故人)、鳳蘭といった大スターの名を挙げて、さらなる成長に期待した。3月27日まで。

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