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スピードスケートメダル5個 メダルなしのソチから8年計画 成果と課題とは…強化部長が3大改革を総括

スポーツ報知
高木美帆

 スピードスケートは北京五輪で金1、銀3、銅1の計5個のメダルを獲得した。メダルなしに終わった14年ソチ五輪からナショナルチーム(NT)を主体とした強化体制へ変革し、金3を含む6個を獲得した平昌五輪に続く成功を収めた。一方で4年後、8年後に向け、次代の育成も急務。日本スケート連盟の湯田淳スピード強化部長(49)が将来を見据え、着手している取り組みの狙いと現状を明かした。

 北京五輪を終えた湯田氏はソチ大会後からの8年計画の成果に手応えを示しつつ、課題も感じていた。メダル5個のうち4個は高木美帆(27)=日体大職=が獲得。「少数のエース頼みの女子は、何としても選手層を厚くしなければいけない。男子の中長距離も世界との差が大きい」。今後のカギを握るのが平昌大会後に行った3つの改革だ。

 《1》ディベロップメントチーム NTの下位カテゴリーとして新設。「トップ選手だけを強化していても行き詰まる。サブトップ層を強化しなければ新たな選手が世界に羽ばたく体制にならない」。NT同様の体制で、1年の大半を拠点の帯広で合宿生活を送る。年齢層は原則19~22歳、中長距離に絞って強化。今大会最年少の18歳・堀川桃香(白樺学園高)はこのチームから代表入りを果たした。

 《2》個別ユニオンチーム 過去3季以内に国際大会に出場した選手を軸に小規模で構成され、今季は5チームが活動。NTスタッフの支援などが受けられる。国内大会で上位に食い込む選手も多く「NTのノウハウが伝わり、それぞれのチームが切磋琢磨(せっさたくま)することで力をつけていくと感じた」。男子500メートル銅メダルの森重航(21)=専大=はユニオン出身だ。

 《3》エリートアカデミー 21年4月に始まり、高校生対象に帯広で寄宿制で活動。指導者など人材育成も視野に入れた独自のプログラムが組まれている。初年度は1人だったが、4月から4人が加わる。山形中央高で多くの五輪代表を輩出した椿央(ひろし)ヘッドコーチ(56)は「(札幌が招致を目指す)8年後の五輪でメダルが取れるような選手を育てていければ」と将来像を描く。

 その他、24年度から指導者ライセンスを適用したり、小学生年代の強化拡充も図る。戦力が充実する現在の取り組みの成否が、今後の競技力を左右しそうだ。(林 直史)

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