J復帰戦でゴールの鹿島FW鈴木 ベルギーでの2年半での変化、鹿島復帰の背景を読み解く

スポーツ報知
鈴木優磨

◆明治安田生命J1リーグ ▽第1節 G大阪1―3鹿島(19日・パナスタ)

 別格だった。G大阪のDFラインがベストメンバーではなかった点を差し引いても、FW鈴木優磨は余裕をもってボールを収め、パスをつないだ。味方に使われても良し。味方を使っても良し。前半30分、敵陣エリア付近でパスをカットし、ゴール左へ決めた勝ち越しゴールには、守備での貢献も表れていた。入国制限でレネ・バイラー新監督が合流できない中、紅白戦での連係がうまくいかず、「正直不安が大きかった」とピッチに向かったが、その雄大なプレーぶりからは、まったく心の中をうかがい知ることはできなかった。

 試合後のオンライン会見。6年前の開幕戦、同じパナスタで決めていることを問われた鈴木は「今でもはっきり覚えています。当時はまだ(プロ)2年目で自分が、自分が(結果を残したい)と生き残るために必死だった。自分中心だった。今はチームで勝ちたい。勝たせたい。チームを勝たせる立場にいる。当時とは違った意味があるゴールだと思う」と語った。この思いに至った背景には、ベルギーで過ごした2年半が大きく影響している。

 19年夏、鹿島からシントトロイデンに移籍。2年半で69試合に出場し、26得点の結果を残した。特に20―21年シーズンには、欧州主要1部リーグで日本人最多得点記録を更新する17得点を記録。当時、鈴木は「これだけ結果を出して、もしステップアップできなかったら、スパッとあきらめるつもり。日本に戻る」と話した。実現できることを信じて疑っている様子はなかった。だが、実現しなかった。欧州移籍市場では日本人FWが結果を出しても、そのまま評価されない。現実を思い知らされた。

 ドイツでその壁に立ち向かった大迫勇也は頼もしかったが、鈴木のように個人でダメなら「チームで世界へ」と変化させることは、間違いなくもう一つの選択である。

 2016年クラブW杯決勝で、Rマドリードと延長戦の死闘を繰り広げ、世界をすぐそこに見た鈴木ならではの決断と言えるかもしれない。

 「鹿島に復帰したのはまた鹿島で勝ちたいという思いが強かったから。勝たせたい、勝ちたいという思いがあっての復帰なので、得点よりもそっちの方が強い」と開幕戦勝利を素直に喜んだ鈴木。ギラギラした姿に惹きつけられたが、鹿島に復帰してから「鹿島で勝ちたい。タイトルを取りたい」と繰り返す姿には、より強い野心を感じる。(内田 知宏)

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