第98回箱根駅伝(1月2、3日)で往復路を制し、総合新記録の完全優勝で2年ぶり6度目の栄冠に輝いた青学大の4選手が2月6日、別府大分毎日マラソンに出場した。
新主将の宮坂大器(3年)が日本学生歴代19位の2時間12分9秒で14位で学生トップ。15キロ過ぎに転倒しながらも踏ん張った横田俊吾(3年)が2時間12分41秒で16位と健闘した。西久保遼(3年)は2時間15分46秒で22位。青学大ラストランとなった飯田貴之主将(4年)は2時間20分13秒で33位だった。
2時間7分47秒の大会新記録で初優勝を飾った西山雄介(トヨタ自動車)、8秒差の2位に続いた鎧坂哲哉(旭化成)ら上位選手には力の差を見せつけられ、2024年パリ五輪マラソン代表選考会(MGC)の出場権は獲得できなかったが、箱根駅伝王者としての力と存在感は十分に示した。
強風の厳しいコンディションの中、青学大の4選手は初マラソンで積極果敢な走りを見せ、全員が25キロ過ぎまで先頭集団でレースを進めた。
中間点(21・0975キロ)の通過は、1時間3分39~41秒。これは「箱根駅伝復路レベル」だ。山下りの6区(20・8キロ)を除き、7~10区の距離に単純計算で換算すると、7区(21・3キロ)で区間12位相当、8区(21・4キロ)で区間2位相当、9区(23・1キロ)で区間9位相当、10区(23キロ)で区間5位相当となる。
もちろん、起伏や細かい距離は異なるが、箱根駅伝でも通用するタイムで、初マラソンの中間点を通過した積極性は、評価されるべきだし、今後につながるはずだ。
初マラソンを走り終えた4選手は重い体を引きずりながらも、充実した表情を見せた。
宮坂は「35キロから本当にきつかったです。でも、32キロまで先頭集団で走れて楽しかった」と笑顔で話した。
15キロ過ぎの給水で転倒した横田は「転倒は経験のなさが出ました。30キロ手前で遅れてしまいましたが、それは転倒の影響ではありません。シンプルに体がきつくなりました。今回の経験を次に生かしたいです」と潔く話した。
西久保は「次にハーフマラソンを走った時、短く感じられると思います」と手応えを明かした。
今春、強豪の富士通に進む飯田は「話に聞いていた通り、30キロ以降、急にきつくなりました。ハーフマラソンと全く別ものでした。今回の初マラソンはダメでしたが、実業団で一からやり直します」と前向きに話した。
テレビ解説者としてレースを見守った原晋監督は「みんな、いいチャレンジをした。次につながる」と健闘をたたえた。
今回の箱根駅伝で4区(3位)を走った飯田以外の3選手は補欠で出番がなかった。その3選手が学生トップレベルの力を示した。青学大の選手層の分厚さを改めて証明するレースでもあった。(竹内 達朗)