【巨人】戸郷翔征 松坂大輔氏から伝授「怪物スライダー」 最多勝へ第3の武器磨く

スポーツ報知
ブルペンで戸郷〈20〉にスライダーの握りを伝授する松坂大輔氏(右は原監督=カメラ・今成 良輔)

 巨人・戸郷翔征投手(21)が3日、“怪物スライダー”を伝授された。昨季限りで現役を引退した元西武の“平成の怪物”松坂大輔氏(41)=野球評論家=が宮崎キャンプを訪問し、ブルペンを視察。原監督が橋渡し役となり、松坂氏から戸郷に伝家の宝刀の極意が授けられた。右腕はストレート、フォークに次ぐ第3の武器を習得し、目標の最多勝に挑む。チームはこの日、キャンプ第1クールを終えた。

 戸郷が、平成の怪物から授かった宝刀を披露した。「スライダーいきます!」。直球の軌道から鋭く大きく変化したボールが、捕手・大城のミットに収まった。「バッターの手元で曲がったので、僕の感覚としては良かった。スライダーはプロに入ってから良くなかったので自信を取り戻せたかな」。キャンプ2度目のブルペン。習ったばかりの怪物スライダーを10球ほど試し、好感触を得た。

 まさに目からウロコだった。日米通算170勝を挙げ、一時代を築いた伝説の右腕から、スライダーの握りや腕の振り方など、約2分間、貴重なアドバイスを受けた。2000年生まれの戸郷だが、1999年にデビューし、イチローらと名勝負を繰り広げた松坂氏の姿が記憶に焼きついている。思いもよらない直接指導は素直に「うれしかった」と顔がほころんだ。

 スライダーの握り自体は大きな違いはなかったが、リリースがポイントだった。「僕は(球を離す瞬間に指で)切っていたんですけど、松坂さんはあまり切らない感じで。今までの僕にはなかった感覚で、すごく新鮮だった」。抜けてしまうのを恐れ、曲げようと意識しすぎていた。腕の振りに集中することで、打者により近く、鋭い曲がりへと進化した。「(スライダーを)投げるのが楽しみになりました。100球、150球投げたときにどうなるか。実戦でも試してみたい」と胸を躍らせた。

 ブルペンに現れた平成の怪物との橋渡し役を買って出たのは、09年WBCでも共に戦った原監督だった。戸郷が47球を投げ終えたところで呼び寄せ、レクチャーを依頼した。「戸郷は第3のボールが必要なピッチャー。突出した、類いまれな松坂投手がいるわけだから、いろいろ聞きたいだろうし勉強にもなったと思う。いいアドバイスになったみたいですよ」と指揮官。その後の投球には「いいね!」と声を上げ、隣の松坂氏もうなずいていた。

 2年連続9勝に終わっていた背番号20。昨季は被本塁打19のうち15本を直球で献上したが、残りの4本は全てスライダー。組み立ての大半を直球とフォークに頼っており、スライダーにはもうひとつ自信が持てずに来た。第3の武器があれば、投球の幅が大きく広がり、目標の最多勝も夢ではなくなってくる。「緊張しましたけど、話ができてよかった」。数々の物語を生んできた怪物スライダー。必ずマスターして、往年の松坂氏のように打者を制圧する。(灰原 万由)

 ◆松坂氏がスライダーで演出した名場面

 ▽決勝ノーヒッター 1998年の横浜高3年夏の甲子園決勝・京都成章戦では、最後の打者をスライダーで空振り三振に仕留め、無安打無得点試合を達成。当時史上5校目の春夏連覇に導いた。打者が、外角に大きく外れるボール球に思わず手を出す場面がキレ味を物語る。

 ▽イチローからも… 西武1年目の99年。宿命のライバルとなるオリックス・イチローとの初対決で3打席連続三振。1打席目は直球で仕留めたが、2打席目は見逃し、3打席目は空振りといずれも決め球にはスライダー。「自信が確信に変わった」との名言を残した。

 ▽キューバも手玉 2大会連続MVPに輝いた09年WBCでは捕手・城島とコンビを組み、頭脳戦を展開。第2ラウンド・キューバ戦で先発した際は、捕手の動きを見て相手ベンチが打者にコースを伝えていることを察知。内角に構えたら外角スライダーを投じるなど、逆球作戦で6回8K無失点の快投を見せた。

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