バブル内の規則は徹底している。歩いて移動ができない。楽なように聞こえて、実はかなり不便だ。北京入りした1月31日夜、フィギュアスケート会場の首都体育館に向かった。バスの運転手が私たちを降ろした場所に、スケート靴を手に途方に暮れるウクライナのペアの選手がいた。入り口の扉に鍵がかかっていたのだ。
なんとそこは同会場で行われるもう一つの競技、ショートトラック用の入り口だった。10メートルほど離れた柵の外にいる男性に「別の入り口まで連れて行ってほしい」と伝えようにも大苦戦。2歩ほど踏み出しただけで中国語の「こっちに来るなー!」の大絶叫を浴びることになる。交渉の末、バスを手配してもらえたのは30分後。歩けばすぐだったのに…。(恵)