北京五輪の現地取材班の記者日記がスタート。スポーツ報知記者の見た、聞いた、感じた!を届けます。
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旅行好きで知られる作家の角田光代さんによると「旅先3日」なのだという。旅先に来て3日くらいたつと体と心がその土地になじんでくるのだそうだ。
北京で取材を始めて3日。到着翌朝のPCR検査で喉の奥を綿棒でかき回された後、「謝謝…」と絞りだした私に防護服の隙間から目元だけの笑顔で「再見」と答えた女性が悪魔に見えたが、言葉を交わすうちに中身は優しい人だと分かってきた。ボランティアの方々も、困っている人がいると皆で何とかしようと知恵を出し合ってくれる。
行動が制限されて不自由な所もあるが、場所の印象を決めるのは結局は人なのだと感じる。何とかやっていけそう。そう思えてきた私の「旅先3日」だ。(亨)