阪神は31日、沖縄・恩納村内のホテルでキャンプイン前日のミーティングを行った。終了後に取材に応じた矢野燿大監督は「俺の中で今シーズンをもって監督は退任しようと」と衝撃の事実を表明。選手、首脳陣、スタッフにも重い決断を伝えた。
昨シーズン中に球団から続投要請を受けている際に自らの進退については悩みに悩んでいたという。「自分の中でも色々考えることも多くて、決めたのはもちろんシーズン終わってからですけど。チームのためにも選手のためにも申し訳ないけど、俺のためにもなるのかなという決断で、決めた」と思いを吐露した。
選手には「後悔のない野球人生を歩んでくれ」「昨日の自分を超える日々を過ごして欲しい」と訴えてきた中で、自分自身も退路を断って就任4年目のシーズンを迎える結論に至った。「明日の2月1日の1日も帰って来ない1日。来年は監督という立場でここに来ているということはないんだという気持ちを持って、挑戦していきたい」と言い切った。
昨季は6月時点で2位に最大7ゲーム差の独走態勢に入ったが、ヤクルトに逆転され、ゲーム差なしの2位に終わった。文字通り、今季は集大成の1年になる。「俺が辞めるということで、頑張ってくれとか、そういうことじゃなくてね。1日1日やりきりたいということを伝えさせてもらったんで、俺も選手の見本になりたい。思いはしっかり伝えたからというのは自分の中ではある感じです」とすっきりした表情を浮かべていた。
◇阪神・矢野監督のキャンプイン前日のミーティング
▼19年 テーマに「競争」を掲げ、聖域なきサバイバルのゴングを鳴らす。「バチバチのライバル関係で。『こいつに負けるもんか!』というね。『切磋琢磨(せっさたくま)』とかは要らない」とゲキ。
▼20年 著名人の格言などを用いたVTRで士気を高め「日本一になるためのキャンプにします」と断言。「なれたらいいなでは、なれていない自分しかイメージできない。なりますと言った瞬間に俺はなっている」ときっぱり。
▼21年 選手たちに「カッコ良くいこうぜ!」と呼びかけ。「過去2年は『楽しまなあかん』と(負担に)思わせてしまった。それぞれの『カッコ良い』が最終的に楽しめているよなって」と力説。