プロボクシングの2021年度年間表彰選手が29日、発表され、女子の最優秀選手賞には、WBA女子世界フライ級王者・藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)が輝いた。藤岡のMVP獲得は4年ぶり6度目で、昨年7月9日に米ロサンゼルスで行われたスレム・ウルビナ(メキシコ)との防衛戦が女子の年間最高試合賞にも選ばれ、2冠を手にした。
男女を通じて日本人初の世界5階級王者・藤岡は46歳。昨年のウルビナ戦では10回判定勝利を収め、WBA王座3度目の防衛に成功。日本人女子として初の米国での世界戦勝利となった。
受賞を知らされた藤岡は「ありがたいですね。(賞を)狙って試合をしているわけじゃないし、自分ではどうにもなることじゃないけど、周りの人の評価は励みになります。続けている以上はさらに上を目指したい。さらにいい試合をしたいと思っています」とコメント。一方で「若い人にも頑張ってもらいたいです」とエールを送った。
藤岡は「おそらく最高齢のMVPじゃないかと思いますが、年齢を考えちゃうと元気がなくなっちゃうので、あまり考えないでいきたい。今年もやれるなら米国で試合をしたいと思っていますし、(米国のプロモーターから)オファーのようなものはいただいています。17年5月にロサンゼルスで練習する機会があり、それからずっと米国で試合したいと思っていた。試合が実際に決まったときは興奮しましたし、ベルトを守って帰ってこられたときの達成感はすごかったです。女子も米国でやれる時代が来ていると思います。ちょっと前はメキシコが盛んだったけど、より注目度の高いところでやりたいと思っています」と抱負を口にした。他の受賞は以下の通り。
【男子】
▽最優秀選手賞 井上尚弥(大橋)=4年連続5度目
▽技能賞 井岡一翔(志成)=3年連続3度目
▽殊勲賞 尾川堅一(帝拳)=初
▽努力・敢闘賞 麻生興一(三迫)=初
▽KO賞 井上尚弥=2年連続5度目
▽新鋭賞 西田凌佑(六島)=初
▽年間最高試合賞(世界戦) WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(9月22日) 寺地拳四朗(BMB)―矢吹正道(緑)
▽年間最高試合賞(世界戦以外) ライト級ノンタイトル12回戦(6月26日) 中谷正義(帝拳)―ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
【女子】
▽最優秀選手賞 藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)=4年ぶり6度目
▽年間最高試合賞 WBA女子世界フライ級タイトルマッチ(7月9日) 藤岡奈穂子―スレム・ウルビナ(メキシコ)
【特別賞】
江畑佳代子さん(元WBO女子世界ミニマム級王者)
花形冴美さん(元IBF女子世界アトム級王者)
故・星野敬太郎さん(元WBA世界ミニマム級王者)
故・鈴木太一さん(元日本ボクシング協会協会長)
故・登本康夫(元JBC審判員)さん