プロボクシングの2021年度年間表彰選手が29日、発表され、世界戦以外の年間最高試合賞に昨年6月26日に米ラスベガスで行われたライト級(61・2キロ以下)ノンタイトル12回戦の中谷正義(帝拳)―ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)戦が選ばれた。
中谷は昨年度もフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)とのWBOインターコンチネンタル・ライト級王座決定戦が同賞に選ばれており、2年連続受賞となった。
試合はロマチェンコが5回にダウンを奪うと、9回にもパンチをまとめてTKO勝ちした。中谷は不利な予想を覆すことはできなかったものの、五輪連覇を果たし、史上最速で世界3階級制覇を成し遂げた超スーパースターと“聖地”ラスベガスのリングで日本人選手がグラブを合わせるという日本ボクシング史に残るビッグマッチを実現した。
中谷は「この度は年間最高試合に選出いただき、ありがとうございます。この試合ができたのも帝拳ジム、本田会長はじめ多くの方々が尽力して下さった結果なのでとても感謝しています。しかし、自分はボクシングは誰と戦ったかという事よりも誰に勝ったかが重要だと思っていますので、(受賞は)光栄な事ではありますが、手放しで喜べない所もあります。素晴らしい選手と戦った経験を生かし、世界チャンピオンになるためにこれからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」とコメントした。他の受賞は以下の通り。
【男子】
▽最優秀選手賞 井上尚弥(大橋)=4年連続5度目
▽技能賞 井岡一翔(志成)=3年連続3度目
▽殊勲賞 尾川堅一(帝拳)=初
▽努力・敢闘賞 麻生興一(三迫)=初
▽KO賞 井上尚弥=2年連続5度目
▽新鋭賞 西田凌佑(六島)=初
▽年間最高試合賞(世界戦) WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(9月22日) 寺地拳四朗(BMB)―矢吹正道(緑)
▽年間最高試合賞(世界戦以外) ライト級ノンタイトル12回戦(6月26日) 中谷正義(帝拳)―ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
【女子】
▽最優秀選手賞 藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)=4年ぶり6度目
▽年間最高試合賞 WBA女子世界フライ級タイトルマッチ(7月9日) 藤岡奈穂子―スレム・ウルビナ(メキシコ)
【特別賞】
江畑佳代子さん(元WBO女子世界ミニマム級王者)
花形冴美さん(元IBF女子世界アトム級王者)
故・星野敬太郎さん(元WBA世界ミニマム級王者)
故・鈴木太一さん(元日本ボクシング協会協会長)
故・登本康夫(元JBC審判員)さん