新開発された超高感度フィルムの試作品を忍ばせて…長嶋茂雄監督を飛び切りの笑顔で胴上げする松井秀喜を鮮明にキャッチ

スポーツ報知
2000年セ・リーグ優勝で胴上げされる巨人・長嶋監督

◆2000年9月24日 巨人、江藤の同点満塁弾&二岡サヨナラ弾で劇的リーグ優勝(堺恒志カメラマン)

 江藤の同点満塁弾、続く二岡の劇的なサヨナラアーチ。それまで聞いたことのない音量と音圧の歓声に包まれながら、待望の瞬間が訪れた。

 36枚撮りのカラーネガフィルムを使用していた時代。胴上げの瞬間をブレずに撮るためには、できるだけ速いシャッタースピードに対応できる高感度フィルムが必要となる。偶然にもペナント争いが佳境に入る少し前に、新開発された高画質で超高感度のフィルムがメーカーから試作品として提供されており、その最後の1本を分けてもらうことができた。

 胴上げをこの貴重なフィルムで―その時が訪れるまで、ずっと取っておいた。迎えたこの日の中日戦、9回裏が始まる時は4点差で負けていたが、高速のシャッター速度に設定した別のカメラに慎重に装てんし、1200ミリレンズにすぐ付け替えられるよう、自分の脇に置いた。

 試合は予想をはるかに超えた展開で優勝。冷静に用意していたカメラに付け替えると、すぐに胴上げが始まった。夢中で連写したため気がつかなかったが、松井秀喜が誰よりも高く伸び上がって、飛び切りの笑顔の長嶋監督を持ち上げる姿が鮮明に記録されていた。

 1994年の「10・8国民的行事」、96年の「メークドラマ」。幸運なことに、私は2試合とも長嶋監督の胴上げを撮影をすることができた。しかし西武に雪辱を果たした94年日本シリーズの胴上げに立ち会えなかったのが、心のどこかで悔いとして残っていた。“その現場に自分がいて、撮りたい瞬間を撮る”ことを強く望んでいた私とって、格別な一枚となった。

【2000年9月25日付紙面より】ミラクル逆転サヨナラ胴上げ! 長嶋監督の体が5度宙に舞った。マジックを1にしていた巨人は、4点を追う土壇場の9回、江藤が今季チーム200本目となる同点の32号満塁弾を左翼席に放つと、二岡が右翼席に優勝を決める10号サヨナラアーチ。劇的な2発で4年ぶり38度目(1リーグ時代9度を含む)のセ・リーグ優勝を決めた。巨人は10月21日から、パ・リーグの優勝チームと日本シリーズを戦う。(所属は当時)

巨人

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