度重なる不遇乗り越えた澤田京介  憧れのベルト奪取に「真っ向勝負」

スポーツ報知
日本バンタム級王座のベルト奪取に意欲を示す澤田京介

◆プロボクシング 報知新聞社後援「第609回ダイナミックグローブ」▽日本バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦10回戦 同級1位・澤田京介―同級2位・大嶋剣心(2月5日、東京・後楽園ホール)

 多くの世界チャンピオンを輩出し、「世界への登竜門」と言われる『ダイナミックグローブ』でまた一つ、注目の対戦が実現する。昨年1月に鈴木悠介(三迫、引退)が返上し、空位となっている日本バンタム級王座を日本同級1位の澤田京介(JBスポーツ)と同級2位・大嶋剣心(帝拳)が争う一戦だ。

 「戦う準備はできている。ここまでずっと試合モードだったから、その間、ずっと成長してきていると思っている。練習は積めているし、ボクシング面でもメンタル面でもタフになった。よりベルトへの思いが強くなった」。取材に応じた澤田は試合が待ちきれない様子だ。2019年10月の最強挑戦者決定戦で田中一樹(グリーンツダ)に判定勝ちして以来、ずっと照準に定めてきた日本王座のタイトル。20年4月の鈴木悠介戦が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったことが、不運の始まりだった。

 「こんなにコロナがはやるなんて思わなかった。でも、受け入れるしかなかった」。体調を維持しながら、機会を待った。コロナ禍でジムが使えない時期があっても「家の中や土手、公園などで練習した」という。

 昨年5月に定常育郎(T&T)との対戦が浮上も、再び新型コロナ感染拡大で延期に。それだけに7月に実現した王座決定戦は意欲十分で臨んだ。初回からダウンを奪うなど好スタートを切った。「このラウンドで決めてやろう」と決めて出た2回に、思いもよらないアクシデントが。偶然のバッティングで、両者ともに前頭部を負傷。試合続行不可能と判断され、負傷引き分けとなった。澤田は眉間右側をカットしたが、骨まで見えるほどの傷だったという。「初回にダウンを取ってダメージを与えていたし『いけるな』と思った。でも、バッティングで流血がすごくて…。(引き分け裁定に)頭が真っ白になった。ベルトがもう少しのところまできていたのに…。勝敗がつかなかったのは悔しかった」

 11月に仕切り直しが決まった。再び気持ちを切り替えてコンディションを整えたが、今度は定常が体調不良のため、前日計量に姿を見せなかった。「何としてもベルトが欲しかったから、試合を成立させたかった。応援してくれる方々に試合を見せたかった」

 だが、気持ちが途切れることはなかった。しばらくして大嶋との王座決定戦が決まった。26歳の大嶋もまた、コロナ禍で2年3か月ぶりの実戦。試合への意気込みは強い。「大嶋選手はテクニックもあるし、タフな選手でもある。真っ向勝負となりそう。打ち合いにきたら応じるつもり」。この2年間、鈴木、定常とサウスポー対策が続いたが、大嶋は右構え。「最初は少し戸惑ったりもしたが、元々右相手は大丈夫なので、すぐに対応できた」という。約100ラウンドのスパーリングもこなし、仕上がりに自信を見せる。

 北海道石狩市生まれの33歳。アマチュア61勝(25KO・RSC)25敗の戦績で、札幌工高時代の高校総体は、2、3年でいずれも準優勝。日大時代の国体はフェザー級で3位だった。「アマ時代、全国チャンピオンになれなかったから、プロではチャンピオンになりたいと思った。日本一へのこだわりはある。ベルトは憧れ。夢を見続けてきましたから」。支えは妻と3人の子供たち。「家族は力になります。今年、小学校に上がる長男は、自分がボクシングをやっていることは分かっています。強い父親の姿を見せたい」。澤田は家族の話題が出ると、さらに言葉に力を込めた。

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