J1ジュビロ磐田が26日、鹿児島キャンプ7日目を迎え、午前と午後の2部練習を行った。昨年キャリアハイの11得点を決めたMF山田大記(33)が「10ゴールが目標。カテゴリーが上がるJ1で取れてこそキャリアハイだと思う」と宣言。FW大津祐樹(31)は「タイトルを取りたい」と決意を示した。シャドーストライカーの2人が、3季ぶりJ1の舞台で大暴れを誓った。
「イメージの持ちやすい戦術」と充実した表情で語るMF山田が「J1で10ゴール」と目標を設定した。午前中に行われたコート半分を使っての5対4のミニゲームでは、守備のズレなどを徹底的に確認。攻撃チームで出場し、自ら得点を決めるなど、鹿児島の地で順調な汗を流している。
昨年38試合出場し自身最多の11ゴール。それでも「J1でとってこそキャリアハイ」と語気を強めた背番号10。今季から指揮を執る伊藤彰監督(49)の戦術について「監督のサッカーは、色々な個性が生きるサッカー」とワクワク感を口にした。
さっそく実戦で証明して見せた。24日のJ2岩手との練習試合(10〇1)で、2シャドーの一角として出場した3本目。多彩なシュートでハットトリックを決めた新加入のFW杉本健勇(29)と「狙っている所が共有できた」と初の練習試合でさっそく融合。昨年J2トップの75ゴールを放った攻撃パターンを継承し、そこに厚みが加わり「(今後が)楽しみです」と白い歯を見せた。
中山雅史コーチ(54)からも刺激を受ける。「選手よりめちゃくちゃストイックに動いてトレーニングをしている」とサッカーに対する情熱を間近で学ぶ。「ピッチに立ちたくてうずうずしていると思う」と選手以上に追い込む藤枝東高の大先輩を見て、さらに自分自身の魂を奮い立たせる。
「昨年は2回、軽いけがをしてしまった。けがなくシーズンを送りたい」。キャンプ中も含めてシーズンに入ってからも、状況に応じて重い負荷で筋トレを行う。食事などの面にも気を使い「(13年目に入り)コンディション調整も年々うまくなっている」と笑顔で話す山田が、J1のピッチでさらなる輝きを放つ。(森 智宏)
〇…FW大津が「(チームで)タイトルを取りたい」と目標を口にした。横浜Mから新加入した昨年の新体制会見では「J1昇格以外に達成感はない」とキッパリ。40試合に出場し自身最多タイの6得点の大活躍で「公約」をしっかり守った頼れる“有言実行男”が「上位にいるチームも降格するチームも、両方見てきた。全員で同じ方向に向くことが大事」と強調。イレブン全員が「監督のやりたいサッカー」を目指した意思統一することが、悲願のタイトル獲得への近道と説いた。