新十両昇進の熱海富士に聞く「横綱になりたい」

スポーツ報知
新十両昇進が決まりガッツポーズする熱海富士(日本相撲協会提供)

 日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、熱海富士(19)=伊勢ケ浜、飛龍高出=の新十両昇進を決めた。オンライン会見では関取として迎える春場所で「優勝を狙いたい」と、抱負を語った。また、熱海富士が小中学校時代に所属した三島相撲クラブで指導するなど、公私ともつながりの深い三島市相撲連盟の杉山信二会長(58)が、教え子のスピード出世を喜んだ。

 ―今どんな気持ちか。

 「ようやく、十両昇進できたという実感が湧いてきた」

 ―19歳での新十両。

 「大相撲に入った時から二十歳までに新十両という目標があったのでうれしい」

 ―昨年、土砂災害があった熱海市にもいい報告ができた。

 「地元が大変な時に、勝っていいニュースが届けられたらなって気持ちで頑張った」

 ―初土俵から所要8場所は小錦、把瑠都と並ぶ史上7位タイのスピード昇進。

 「大関まで上がられている方と同じというのは自信になる。自分も十両に満足しないで上を目指していきたい」

 ―十両昇進のかかった7番相撲では物言いがついた。

 「勝ったつもりで、うれしかったが、物言いついて『えー』という気持ちだった。でも、もう一丁の気持ちだった」

 ―判定で勝利となった。その瞬間は。

 「不安だったものが、ホッとした気持ちになって。泣きそうだったけど、泣かないようにいうのがあった」

 ―花道では涙を我慢した。

 「安治川親方(元関脇・安美錦)とかが駆けつけてくださって、緩んだというか、『あー』ってなって泣いちゃった」

 ―来場所の目標は。

 「このままの勢いで、勝ち越しとかもあるけど、十両優勝を狙いたい」

 ―どんなところを見てほしいか。

 「前に出る、引かない姿勢を見てもらいたい」

 ―目標としている番付は。

 「やっぱり、横綱になりたい」

 〇…かつての“師匠”が、教え子の快挙をたたえた。相撲を始めたころの熱海富士を知る杉山さんが、角界に飛び込んでからの成長ぶりに目を細めた。「こんなに早く関取になるなんて、びっくりです」。初土俵から所要8場所でのスピード新十両昇進に驚きの声をあげた。

 杉山さんは、三島高(現知徳高)から中大に進んだ元学生力士。指導していた三島相撲クラブに、熱海富士こと武井朔太郎少年が入ってきたのは小6だった。「体も大きかったし、パワーもあった。性格もプロ向きだった」。普段は、のんびりしているが、土俵での集中力は当時から目を見張った。「中3の時、東海大会で優勝して自信になったんじゃないかな」と、振り返った。

 三島市内で大衆食堂「しんちゃん」を経営。デカ盛りが有名な人気店で、熱海富士の飛龍高入学後、学校に慣れるまでの間、自宅に下宿させた。学校が終わると、家計の足しにとバイトで雇った。十両昇進のかかった今場所の7番相撲は店でテレビ観戦。「物言いが長くて心配したけど、前に出る勢いが良かった」と、内容にも合格点を付けた。

 同クラブから磋牙司、栃飛龍に続く3人目の関取が誕生した。「衣食住をともにした子がここまできてうれしい」と、自分の息子のことのように喜んだ。「同部屋の照ノ富士のような横綱を目指してほしい」。今後のさらなる活躍を祈った。(塩沢 武士)

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