平野歩夢、五輪は「スノボという枠とは別」金メダル言及なしの理由…記者が読み解く

スポーツ報知
平昌五輪スノーボード男子ハーフパイプで銀メダルを獲得し、日の丸をかかげる平野歩夢

 北京五輪スノーボードのハーフパイプ(HP)、スロープスタイル&ビッグエアの代表選手が25日、オンラインで取材に応じた。HPで2大会連続銀の平野歩夢(23)=TOKIOインカラミ=は、弟・海祝(かいしゅう、19)=日大=と参戦。今季W杯3戦2勝とV候補本命だが、金メダルについて一切言及せず「自分にしかできない表現を」と強調した。スノーボード界の発展を願う第一人者が五輪にかける思いを、細野友司記者が「読み解く」。

 17分間の会見。平野歩は、五輪への抱負や目標を最も端的に示すはずの「金メダル」という言葉を、一度も使わなかった。今季W杯2勝の優勝候補筆頭が、代わりに強調したのは「自分にしかない表現」。2大会連続の銀メダルを手にした平昌大会からの4年を思いつつ「悔いなく、納得いく滑りを表現できれば。自分にしかないところを見せていければいいと思っている」と静かにうなずいた。

 スノボ界には、トッププロが集う招待大会の「Xゲーム」を始め、五輪以外にも格の高い大会が存在する。ただ、平野歩は五輪を「4年に一度、選ばれた人たちだけの真剣勝負。スノーボードにとっても影響力の大きな舞台なので、普段自分が出ている大会とは違う場」と位置づけている。昨夏の東京大会では、スケボーへの参戦も果たした。五輪は、愛する競技の魅力を広く一般に示す特別な場と考え「スノーボードという枠とは、また別な種類」とさえ見ている。

 五輪を重要視する平野歩は、単に金メダリストだけを目指してはいない。滑りのスタイルで魅せ、スノボ人気自体を沸騰させるような王者像がきっと脳裏にある。スポンサーのモンスターエナジーを通じ「他の人を上回れる圧倒的なものがあった上で、その結果、頂点になれたら」とも言った。勝つだけで難しいはずの五輪で、勝ち方にもこだわる23歳のすごみがある。

 北京で同時出場を果たす弟・海祝は、“兄ならではの表現”について「スケボーの五輪もあって、いろいろ経験していて、他の人とは一段違った迫力がある。高難度技の完成度も高い」と述べた。五輪本戦まで残り約2週間。平野歩は「まだ成功していないトリックや高さ、つなぎの完成度を今まで以上に表現した上で、他の人と差をつけるような内容だったらいい」。末恐ろしい絶対王者が、誕生しようとしている。(細野 友司)

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