日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は24日、東京・両国国技館で定例会合を開いた。会見した矢野弘典委員長は、関脇・御嶽海(出羽海)が大関昇進を確実にしたことに「刺激になって(正代、貴景勝にも)活気をもたらすのではないか」と期待した。
また矢野委員長によると会合内で、新型コロナウイルス感染対策ガイドライン違反で6場所出場停止処分中の、元大関で十両の朝乃山(高砂)に関することも話題に挙がったという。朝乃山は初場所が出場停止4場所目で、復帰予定は7月の名古屋場所。同委員長は「6場所(出場停止)は何とかならないのかな、という意見が出ましてね。再考の余地があるなら再考してもらいたいものがあってもいいのではないかという感じであります」と明かした。
ただ「これは特に横審として結論を出したわけではない」と、あくまで雑談レベルだということを強調。「かつては横綱の有力候補だった。それがああいう出来事が原因で大変厳しい処分を受けた。それはそれで合理性、妥当性はあったと思う」とした上で、「ファンの中に、そういう考えを持っている人もいて、その意見の代弁でもあると思う。彼に対する期待を表現できないのは惜しいのではないかと、そういう意見だと私は思います」とした。
相撲協会は軽減を否定した上で、稽古に励んでいることを報告した。矢野委員長は「四股を踏んだり、いろんな鍛錬をやっていると聞いています。休場明けに備えて心身ともに自分を作ってほしいと思います」と願った。
また、この日付で矢野委員長は委員も含めて退任し、後任委員長に元自民党副総裁の高村正彦委員が就任することも発表された。