【藤田晋の新人馬主日記】高額馬でも「ビシバシと」鍛えてほしい

スポーツ報知
藤田晋オーナーのG1初出走だった朝日杯FSでのドーブネ

 昨年末に朝日杯FS・G1に出走した愛馬ドーブネは、馬券内の目標かなわず7着という結果に終わりました。当日の夜、私が用意した祝賀会場に現れた武幸四郎調教師や吉田隼人騎手は、まず第一声「すみませんでした!」と謝ってくれました。でも正直、私は馬主初年度でG1に出走できただけで大満足です。むしろ本当に悔しかったのは勝ってここに来たかった幸四郎さんや隼人さん、そして日々ドーブネを世話していた厩舎の方たちだったでしょう。

 馬主になって、自分の馬のレースが終わるとすぐに調教師から電話がくることを知りました。そして負けると決まって電話越しにすごく謝られます。しかし、調教師も騎手も、自分たちの成績を常にランキングという形で世にさらされ、賞金の一部が稼ぎとなるので、評価もお金も、レースの結果次第で左右されます。馬に仕事と人生を懸けた自分たちの方が、負ければずっと悔しいはずです。

 でも結局、所有者である馬主とその馬の関係者はみんな運命共同体です。勝って喜びを分かち合い、負けて悔しさをかみ締める、そんな仲間ができるのも馬主の醍醐(だいご)味なんだと思います。

 ただ、ドーブネは5億円(税抜き4億7010万円)の高額馬だけに、もしかしたら、なんとか勝たせたいという気持ちが関係者の中ではあったのかもしれません。私はドーブネの活躍にもう十分満足していますが、購入した当初は「高額馬は走らない」といろんな人に言われました。その根拠は不明でしたが、ある牧場関係者から「馬が高く売れると、万一けがでもさせたら責任を取れないと、現場が慎重に扱うようになってしまう。それが伸び悩む理由かも」と聞いた時、少し納得感がありました。

 うちの会社でも大きな取引先の方のご子息、ご令嬢が入社してくることがたまにあります。その際、親は決まって「ぜひビシバシ鍛えてやってください」と頼んでくるのですが、実際入社すると誰の家族か社内でもすぐ知られるので、周囲が腫れ物を触るように扱ってしまいます。言うまでもなく、若い頃にビシバシ鍛えられた方がその後の成長は期待できるのです。

 さて、今年は去年のセレクトセールなどで購入したたくさんの高額馬がいろんな厩舎に入厩する予定です。私はそれを首を長くして楽しみにしています。ぜひ、私の馬は購入金額のことは忘れて、「ビシバシと」鍛えてほしいものです。

 ◆藤田 晋(ふじた・すすむ)1973年5月16日、福井県生まれ。48歳。青山学院大学を卒業。インターネット事業を主に扱うサイバーエージェント代表取締役社長。ブログサービス「アメブロ」や動画配信サービス「ABEMA」などの事業も手がける。

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