大石直嗣七段が解説…伊藤沙恵女流三段は実力と気迫で里見香奈女流名人に「名人の手」指させなかった

スポーツ報知
感想戦で対局を振り返る里見香奈女流名人(カメラ・谷口 健二)

 23日に島根県出雲市の「出雲文化伝承館」で行われ、後手で挑戦者の伊藤沙恵女流三段(28)が180手の熱戦の末に里見香奈女流名人(29)=女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=を破り、開幕2連勝とした。伊藤は9度目のタイトル挑戦で悲願の初戴冠(たいかん)に王手をかけた。自身の持つ最多記録更新の13連覇を目指す里見は、ホームタウンで痛い連敗。注目の第3局は2月6日、千葉県野田市で指される。

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 伊藤さんはさらに力を付けておられるな、という印象を残す一局でした。122手目の局面で先に一分将棋に突入しているのですが、終局の180手目までに伊藤さんが指した29手はほとんど最善手でした。里見さんが懸命の粘りの手を重ねる中でも、落ち着いた指し手を貫いていました。

 最終盤に▲7二桂成に△同玉と応じた一手があります。玉形が危ないと見ていたら、代えて△同竜を選びたくなる局面です。でも、完璧に読み切っているからこそ△同玉を指せた。一局を通して、里見さんに「名人の手」を指させない実力と気迫が表れていました。

 里見さんは連敗で後がなくなりましたが、簡単に終わる方ではないということは過去が証明しています。伊藤さんも分かっていると思いますが、どのように勝ち切るかが第3局以降のテーマになります。また本局のようなハラハラドキドキの将棋を見たいです!(談)

 ◆大石 直嗣(おおいし・ただし)1989年9月16日、大阪府八尾市生まれ。森信雄七段門下。2009年、19歳で四段昇段。「ダイレクト向かい飛車」の達人として知られ、13年に当時三冠の羽生善治をNHK杯で撃破して話題に。順位戦B級2組。

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