御嶽海「長かった…です」大関をやっとつかんだ29歳「今年は頑張りたい。見ててください」有言実行V

照ノ富士を寄り切りで破り優勝を果たした御嶽海(右)(カメラ・小泉 洋樹)
照ノ富士を寄り切りで破り優勝を果たした御嶽海(右)(カメラ・小泉 洋樹)

◆大相撲 ▽初場所千秋楽 〇御嶽海(寄り切り)照ノ富士●(23日、東京・両国国技館)

 関脇・御嶽海(29)=出羽海=が結びの一番で、横綱・照ノ富士(30)=伊勢ケ浜=を寄り切りで下し、13勝2敗とし、2019年秋場所以来、13場所ぶり3度目の賜杯を抱いた。日本相撲協会は八角理事長(元横綱・北勝海)に大関昇進を諮る臨時理事会(26日)の開催を要請し了承。昇進が事実上、決まった。長野出身大関の誕生は、1795年に昇進した雷電以来227年ぶりとなる。

 念願だった大関昇進確実の吉報を伝え聞くと、重圧から解放されるように御嶽海が表情を緩めた。土俵上の優勝インタビューで約20秒間言葉を詰まらせ、目をうるませた。「なかなか、そういう経験はできることではないので素直にうれしい」。悲願に花を添える13勝目で3度目の賜杯。「重圧? そうですね。でも、すごい楽しめました。久々の皆さんの歓声がうれしかった」と勝利の余韻をかみ締めた。

 堂々たる“大関相撲”だ。照ノ富士に勝てば優勝、負ければ3人によるともえ戦。賜杯の行方を左右する大一番の直前に、声援自粛のはずの会場からは「頑張れ!」と声が飛んだ。横綱との立ち合いは左のおっつけでまわしを与えない。体を入れ替えて一度距離を取ると、すかさずもろ差し。一気に前に出て、確実に腰を割って寄り切った。

優勝インタビューで目頭に手を当てる御嶽海(代表撮影)
優勝インタビューで目頭に手を当てる御嶽海(代表撮影)

 昇進を預かる審判部は打ち出し後、八角理事長(元横綱・北勝海)に昇進を審議する臨時理事会の開催を要請。大関昇進が事実上、決まった。15日間を戦い終え、御嶽海は「場所前は全勝優勝(が条件)と言われていたので、厳しいのかなと…」と胸中を明かした。だが、審判部の高田川副部長(元関脇・安芸乃島)は「結果にかかわらずに決めていた。理詰めの相撲」とし、取組前の臨時会議で決定していたことを明かした。

スロー三役通過場所数
スロー三役通過場所数

 三役在位28場所での昇進は昭和以降で4位のスロー記録だ。計15冠に輝いた東洋大から鳴り物入りで入門。15年春場所の初土俵からスピード出世を果たし、21場所目の18年名古屋場所では幕内初優勝を果たした。過去2度あった優勝翌場所の大関取りは9勝、6勝止まりでチャンスをフイにした。「若手の大関候補」は安定感が課題とされ、その間、貴景勝(常盤山)ら4人の昇進を見届けた。「長かった…です。すごく悔しい思いをしたし、早く僕も上がりたいと思っていた」と、苦渋の日々を振り返った。

優勝賜杯を授与される御嶽海(カメラ・小泉 洋樹)
優勝賜杯を授与される御嶽海(カメラ・小泉 洋樹)

 今年こそは…という思いがあった。先月25日に29歳となり、周りからは「年齢的にも勝負の年」と叱咤(しった)激励されることが増えた。後援会関係者によれば、普段は気概を内に秘める御嶽海だが、場所前には「今年は頑張りたい。ちょっと見ててください」と覚悟を示していたという。

 故郷・長野からは1795年に昇進した江戸時代の伝説力士・雷電以来227年ぶりの大関誕生となる。有言実行で夢をかなえた29歳は「(喜びは)まずは両親に報告したい。来場所? みなさん、注目して見てください」と最高の笑顔。御嶽海がここから新たな伝説をつくる。(竹内 夏紀)

 ◆雷電 為右衛門(らいでん・ためえもん)日本相撲協会の資料によると1767年、現在の長野県東御市生まれ。幕内在位は36場所で、大関は27場所務めた。幕内では254勝10敗。あまりに強かったため張り手などが禁じられたと伝えられている。教養も高く「雷電日記」といわれる巡業を記録した「諸国相撲控帳」を書き残したとされる。横綱免許を手にしなかった正確な理由は不明。44歳で引退。1825年に58歳で死去。197センチ(6尺5寸)、169キロ(45貫)。

 ◆御嶽山久司(みたけうみ・ひさし)

 ▼生まれ 1992年12月25日、長野・木曽郡上松(あげまつ)町出身。29歳

 ▼しこ名 長野の名峰・御嶽山(おんたけさん)に由来。14年9月に噴火した影響で観光客が減った地元を「勇気づけたい」。長野県が接していない「海」は出羽海部屋から。本名は大道久司(おおみち・ひさし)

 ▼初土俵&実績 東洋大4年で学生、アマチュアの2大タイトルを獲得。大学時代は合計15冠。15年春場所、幕下10枚目格付け出しで初土俵。同年夏場所後に長野県出身では47年ぶりの新十両に昇進。

 ▼サイズ 180センチ、174キロ

 ▼得意 突き、押し

 ▼好物 すし、プリン。プリンは自分で作るほどで洋菓子派

 ▼趣味 ボウリング、ダーツ、温泉巡り。苦手は絵画で「絵心は全くなし」

 ▼ライバル 母校・東洋大の2学年下で16年リオ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介。大学時代から親交があり「負けたくない」

 ▼女性のタイプ 外見は細身のクール系で内面はおっとり系が好き。年上好きで理想は女優の北川景子

 ▼家族 父・春男さん、母・マルガリータさん

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