コロナ禍で2年連続中止の全国都道府県対抗男子駅伝 来年こそ「オールスター駅伝」復活を願う

スポーツ報知
例年賑やかに開催される全国都道府県対抗男子駅伝(写真は資料)

 本来であれば今ごろ(2022年1月23日午後零時30分~3時頃)、各都道府県を代表する中学生、高校生、大学生、社会人の選手が一本のタスキをつないでいるはずだった。

 例年1月下旬に広島市・平和記念公園前発着で開催される全国都道府県対抗男子駅伝(全国男子駅伝)が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2年連続で中止された。コロナ禍で苦しんでいる人々や、苦しんでいる人々を助けている医療従事者の方々のことを考えれば、中止を決定した大会関係者の判断は十分に理解できるが、残念な思いもある。

 全国男子駅伝は、1区(7キロ)高校生、2区(3キロ)中学生、3区(8・5キロ)大学生か社会人、4区(5キロ)高校生、5区(8・5キロ)高校生、6区(3キロ)中学生、7区(13キロ)大学生か社会人の区間構成で計7区間48キロで争われる。

 直近の全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)や箱根駅伝で活躍したランナーも多く出場する。近い将来、そのニューイヤー駅伝や箱根駅伝で活躍することを目標とする中高生にとって、郷里の先輩ランナーとタスキをつなぐ今大会の存在は大きな励みとなっている。

 また、年末に京都市で開催される全国高校駅伝に出場できなかった高校生ランナーはメラメラと闘志を燃やして広島に乗り込んでくることも全国男子駅伝の醍醐(だいご)味だ。

 2008年大会では、福島・いわき総合高3年の柏原竜二が1区で激走し、区間賞を獲得した。スタートと同時に先頭を突っ走る積極性と肩ごと腕を振るようなダイナミックなフォームで衝撃的な「全国デビュー」を果たした。その時、福島県のアンカーを務めたのは順大時代に「山の神」と呼ばれた今井正人(トヨタ自動車九州)だった。それから11か月半後、東洋大1年となった柏原は2009年箱根駅伝5区で今井が持っていた区間記録を更新する快走で東洋大初優勝に大貢献。「2代目・山の神」を襲名した。

 今大会でいえば、昨年末の全国高校駅伝に出場できなかった千葉・市船橋高の緒方澪那斗(3年)、岡山・玉野光南高の黒田朝日(3年)が、全国高校駅伝で活躍した京都・洛南高の佐藤圭汰(3年)や広島・世羅高の森下翔太(3年)らとどのような戦いをするか、注目されていた。

 今大会、大学生と社会人の選手としては、昨年の東京五輪3000メートル障害7位入賞の三浦龍司(順大2年)は島根県、東京五輪マラソン代表の服部勇馬(トヨタ自動車)は新潟県と、それぞれ郷里の代表としてエントリーされていた。昨年12月の日体大長距離競技会1万メートルで日本歴代2位&日本人学生新記録の27分23秒44で走破し、今年の第98回箱根駅伝では花の2区で区間賞を獲得した駒大のエース田沢廉(駒大2年)は青森県代表として出場予定だった。箱根駅伝で完全優勝を果たした青学大勢では1区・志貴勇斗(2年、山形)、2区・近藤幸太郎(3年、愛知)、7区・岸本大紀(3年、新潟)らVメンバーが名を連ねていた。また、箱根駅伝では出番がなかった東洋大のスーパールーキー石田洸介(群馬)は、その悔しさを晴らすべく、出場に向けて準備を進めていた。

 まさに見所満載だった。

 全国男子駅伝は、あくまで真剣勝負だが、その中で、プロ野球オールスターゲームのような「お祭り」ムードも漂う。

 私自身、毎年、広島でこの大会を取材することを楽しみにしていた。レース後には、ニューイヤー駅伝や箱根駅伝で活躍した選手たちがリラックスして本音や裏話を明かしてくれるし、近い将来(早ければ翌年に)箱根駅伝で活躍することになる若い選手の走りはとても興味深いものだ。

 全国女子駅伝は先週16日、2年ぶりに京都市で開催され、地元の京都が2大会連続18回目の優勝を飾った。04年アテネから16年リオまで4大会連続で五輪に出場し、今季限りで引退する「レジェンド」福士加代子が青森のアンカーとして力走。郷里の後輩たちと一本のタスキをつないだことは全国駅伝ならではのドラマだった。

 コロナ禍が終息し、来年こそ、郷里のスターと、そのスターを目標とする若いランナーがタスキをつなぐ「オールスター駅伝」が復活することを願っている。

(記者コラム・竹内 達朗)

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請
×