【ヤクルト】内川聖一、父・一寛さんと22年ぶりに練習「ワクワクしてたのを思い出した」

スポーツ報知
22年ぶりに親子で練習したヤクルト・内川聖一(左)と父・一寛さん

 大分・別府で自主トレ中のヤクルト・内川聖一内野手(39)がこのほど、スポーツ報知の取材に応じた。大分工時代は監督と部員の間柄だった父・一寛さん(64)と22年ぶりに練習し、「子供の頃、ワクワクしていたのを思い出した」と原点回帰。父への思い、22年目の今季にかける意気込みを激白した。大分では22日午前1時に震度5の地震が発生したが、被害はなし。通常通り練習を行い、23日に親子自主トレを打ち上げる。(取材・構成=森下 知玲)

 22年ぶりとなる父のノックに、内川は少年時代に戻ったかのように白球を追いかけた。2月から大分高の野球部監督に就任する父との親子自主トレ。久々に親子でグラウンドに立ち、晴れやかな表情を浮かべた。

 「高校時代は(父は)監督であり先生で、あまり親子って関係ではなかった。プロに入って初めて父と同じグラウンドで野球をする。お互い年齢は重ねたけど、ノックバットを振る姿を見ると、子供のころに父の姿を見て、ワクワクしてたのを思い出しましたね」

 移籍1年目の昨季は38試合で打率2割8厘。現役続行へ、迷いが生まれた。

 「身を引くべきなのか、と考えた時期もあった。でも、球団からまだまだ期待してると言葉をいただきましたし、僕が野球やることを見て喜んでくれてる方がいる以上は、辞める選択肢はなかった」

 背中を強く押してくれた父の教えだった。

 「昔から『何事も諦めず、最後まで頑張りなさい』と言われて育ってきた」

 ノックでは左右に振られ、父が目を光らせる中で打撃練習を繰り返した。キャンプはマイペース調整が許される2軍スタートだが、献身的なサポートで仕上がりは良好。さらに、新たな試みで進化を求める。

 「自分の形が感覚的に崩れた部分もあったので、『4スタンス理論』で、もう1回新しいものを作る気持ちで。同じ山に登るのに、違うルートから登ってる感じ。将来、指導者として何かを伝える時にも役立つ。常に知識を入れ続けられればいいなと」

 通算2182安打でセでは956安打。両リーグ1000安打も目前に迫るが、今を全力で走ることに集中する。

 「プロ野球生活も残りの方が短くなってきて、どういう状況で辞める決断をするのか、今は分からない。でも、その日が来るまで全力でやるってことは変わらない」

 8月には40歳。故郷・大分で父と共有した濃密な時間を財産に、内川が22年目のシーズンに向かう。

 ◆4スタンス理論 人間の体の使い方は先天的に4種類あり、立った姿勢で重心がかかる部位に応じて「A1=つま先の内側」「A2=つま先の外側」「B1=かかとの内側」「B2=かかとの外側」に分類されるという理論。整体施術家・広戸聡一氏が提唱。タイプによって、より効率的な体の動かし方や強化法があり、日本人打者では内川がA1、王貞治氏らがA2、巨人・坂本らがB1、西武・中村らがB2。ゴルフやテニスにも取り入れられ、ロッテでは新人9選手に講習会が開かれた。

◆父・一寛さん「幸せな気分」

 大分工など、大分県の県立高校の野球部監督を歴任してきた内川の父・一寛さんは、22年ぶりの息子との練習に「幸せな気分」と目を細めた。2月からは大分高の野球部監督に就任することが決まっているが、息子との自主トレのため、「(就任は)2月からにしてもらえないか」と打診したという。約10日間の自主トレではノックバットを握り、打撃練習では助言を送った。「まさかこんな時が来ると思ってなかったので、初めて親子でやってるな、と。今年は体の痛みもないみたいで、いい動きをしてる」と笑みを浮かべた。監督就任後も、時間を見つけて息子の応援に行く予定だ。「最後、やりきるまで頑張ってくれたら」。一番の応援団長は力強くエールを送った。

 ◆内川 聖一(うちかわ・せいいち)1982年8月4日、大分県生まれ。39歳。大分工から2000年ドラフト1位で横浜(現DeNA)入団。10年オフにソフトバンクへFA移籍。11年に史上2人目の両リーグで首位打者。09年、13年、17年WBC日本代表。20年にソフトバンクを退団し、21年にヤクルト入団。184センチ、92キロ。右投右打。年俸5000万円。

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