またも中尾ミエの“爆弾発言”を誘った垣花正に持つ疑問…炎上の時代にMCが持つべき品性とは

スポーツ報知
中尾ミエの小柳ルミ子への思いをあおる形になった「5時に夢中!」MCの垣花正

 また、やっている―。垣花正(50)が生放送で口にした言葉に思わずそう思ってしまった。

 ベテラン歌手の中尾ミエ(75)が21日放送のTOKYO MX「5時に夢中!」(月~金曜・午後5時)に生出演。後輩の歌手・小柳ルミ子(69)をバッサリとたたき切る場面があった。

 この日の番組では、小柳が自身のブログでタレントのヒロミ(56)、松本伊代(56)夫妻と新年会を開いたことを明かした上でヒロミがその場の会計を済ませたことに感激。「なんと男前なんでしょう。後輩で年下だけど、頼もしい良い男です」とつづったという記事を紹介した。

 この件について聞かれた中尾は「こんなこと、いちいちブログに上げるの?」と、いきなりケンカごし。「この人は年下好みだから、今までも年下に貢いできたんでしょうね。(年下に払ってもらうのが)初めての経験だったんじゃないの?」と手厳しい言葉を続けた。

 この発言にアシスタントのミッツ・マングローブ(46)は「そうか。年下のヒロミさんに払ってもらうのが新鮮で。すごい視点ですね」と感心。問題はこの後の垣花の発言だった。

 「僕も『5時夢』に出て、まだ1年でニュアンスがよく分からないんですけど、『小柳ルミ子さんの話題の時はミエさんに(話を)振って下さい』というスタッフのプレッシャーがあるんですよ。ミエさんは小柳さんへの特別な思いっていうのがおありなんですか? 例えば嫌いとか…」と、かねてから小柳との確執説がある中尾を“あおる”ような一言。

 ゲストの元「DA PUMP」YUKINARI(43)も「完全に誘ってますよね」と苦笑する中、誘い水に乗った中尾は「好きとか嫌いとかじゃなくて、全然、時代も違うんですけど、ただ、この人、今はどうだか分からないけど、昔はね。あいさつもできない子だったのよ」と個人的な思いを吐露。あまりの発言にミッツは「長年のルミ子さんエピソードの中で一番、今日が辛辣(しんらつ)でしたよ」と苦笑。垣花が「すみません。私が悪うございました」と謝りつつも「そう言いながらも、この番組でも共演してるんですよね」と言うと、中尾は「共演と言うか、別に…」と最後まで口を濁した。

 このやり取りを見ていて、私の記憶は昨年5月7日放送の同番組の一シーンにフラッシュバックしていた。

 毎回、テーマを決めて視聴者投票する同番組のこの日のテーマは「ボッタクリに遭ったことはありますか?」だった。この件について聞かれた中尾は「昨日、あるホテルで食事をしたんですよ」と話し始めた。

 「いい加減(値段が)高かったんだけど、マネジャーがちょっと遅れてきて…。時間がないから『何か食べる?』って聞いたら、『時間がないからいいです』って言って。『お水だけでもあげてもらえます?』って言ったら、『いや、何か一品とっていただかないと、お水は出せません』って。一流ホテルだよ!」と、いきなりヒートアップ。

 8か月前のこの場面でも垣花は「なんなら名前、言ってやりたいくらいな?」と、確かにあおった。「言ってもいいですよ!」と言った中尾のあまりのけんまくに恐れをなした垣花が「ミエさん、影響力ありますんで…」と、ここで話を収めようとしたが、中尾はホテルの実名を口にした。

 「水一杯飲まさないのよ。何か一品とらないと、お水も出さないって。結局、ジュースを頼んだけど、とんでもない!」と怒りは収まらず。ここでミッツが「一流ホテルと一流スターの意地のぶつかり合いですからね。『一流スターなら一品頼めよ』って向こうは思っているかも知れない」とまとめて、その場は収まった。

 約3分間に及んだこのやりとりを報じた「スポーツ報知」WEB記事により、ネット世論は沸騰した。

 一部、「中尾さんは食事もしているし、ホスピタリティーとして水くらい出しても」、「最後はジュースも頼んでいるから…」という擁護の声もあったが、多くは「水もただではない。当然のように要求するのはおかしい」、「芸能人だからって勘違いしている」などの中尾への批判の言葉だった。

 一義的には「ぼったくり」という文脈でいきなりプライベートの不快な出来事を公表。ホテルの実名まで電波に乗せた中尾に落ち度があるのは間違いないが、垣花の「なんなら名前、言ってやりたいくらいな?」という一言にも騒動の大きな原因があったと今でも思う。

 その後、垣花も同番組の火曜コメンテーターの作家・岩下尚史さん(60)らに「あなた、あおって怒られたでしょ」などと生放送で注意され続けたことで反省。その後はなりを潜めていたが、8か月経った、この日、やはり同じようなあおり文句を口にした一幕を見て、私は「変わってないな」と正直、思ってしまった。もちろん、番組を盛り上げようとする垣花の血のにじむような努力も、どれほどのサービス精神の持ち主かも分かってはいる。

 ただ、自身もとっくに承知していたはずの中尾と小柳の不仲説を「スタッフからのプレッシャー」とした点にも大きな疑問を持った。「その言い方はずるい」と―。

 昨年5月の騒動の際も書いたことだが、出口の見えないコロナ禍の中、現代社会には他人に対する「不寛容」という怪物が跋扈(ばっこ)している。何かあれば批判してやろう―。そんな空気の中、情報を発信する者すべてが心しておかないといけないのは、高まる一方の生放送のはらむ危険度と、人について何か言う時に、いかに慎重であるかということ。それは全く変わらないと思う。

 今回の中尾のように出演者が“暴走”した時こそ、軌道修正し、視聴者の怒りをあおらないよう収めるのがMCの仕事なのではないだろうか。ましてや以前から不仲説がある後輩への好き嫌いの感情をあえて聞くというのは、果たしてMCの仕事なのだろうか。

 匿名の卑怯者によりエスカレートする一方の他人への悪口、誹謗(ひぼう)中傷。誰かを傷つける放送や記事なんて、誰も望んでいないし、読みたくも聞きたくもない―。不寛容の時代だからこそ情報の発信者は慎重にならないと―。垣花だけの問題ではない。その言葉は、そのまま自分に跳ね返ってきている。(記者コラム・中村 健吾)

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