今年最初のG3 立川記念は吉田拓矢が優勝

スポーツ報知
新年最初の記念競輪を制した吉田拓矢

 2022年。立川競輪場で年始めとなる第1弾の記念開催「開設70周年記念G3 鳳凰賞典レース」は、若手のホープ・吉田拓矢(26)=茨城・107期=が大外を駆け抜けて優勝。7日に閉幕した。4日間の総売り上げは目標とした65億円を上回る67億3424万1100円。今年の競輪界を占う好スタートに、関係者は胸をなで下ろした。強風、降雪あり、激闘の4日間シリーズを振り返ってみる。

◇開設70周年記念G3鳳凰賞典レース決勝 2025メートル(2022年1月7日、立川競輪場)

1着〈1〉吉田 拓矢(茨城)11秒9 差し

2着〈2〉浅井 康太(三重)

3着〈3〉新田 祐大(福島)

4着〈5〉清水 裕友(山口)

5着〈4〉菊地 圭尚(北海道)

6着〈9〉久米  良(徳島)

7着〈6〉稲村 好将(群馬)

8着〈8〉木村  弘(青森)

失格〈7〉桐山敬太郎(神奈川)外帯線内進入

直線一気!新田、浅井を捕らえた

 まさに電光石火の一撃だった。吉田はゴール線上を瞬間移動したかのように一瞬で駆け抜けた。抜く、抜かせないの世界ではない。ゴール前での強襲は周りが止まって見えるもの。でも、このときばかりは、「2強」の浅井、新田もあ然。失速せず、自転車は伸びていたのだから、ディープな、衝撃的な、エグい走りと言っていい。ゴール前の醍醐味は、まさに競輪を象徴するかのようだ。勝者・吉田は「道中、僕が一番脚力のロスがなかったのではないかな」。普段、あまり笑顔を見せないヒーローはニッコリし、「(G1初制覇だった21年11月の)競輪祭くらい伸びました」と言葉を加えた。

 ファイナルは、北日本勢がミエミエの二段駆け。新田が木村を使えて断然有利だった。言うまでもなく一番人気だ。打鐘からS班の清水が襲いかかり、叩きに行くが木村が抵抗、先頭に出られないと判断すると、清水は2番手で新田と熾烈な競り合い。残り1周から浅井がまくりを放ち、清水との決着をつけた新田も合わせて前へ踏む。外が膨れる状況なのだから、吉田は「内に吸い込まれる感じだった」とインコースを選んで踏み、そこから外に自転車を出したのが残り半周過ぎ。「競輪には絶対はありませんから」渾身の力を込めた。「ビック2」を粉砕した。

 今年初めて赤いパンツ(S級S班)を履く男は、重責も担う。「赤いパンツ」を履くには威厳がなければならない。そして、強くなればなるで苦悩を強いられる。準決勝では目標にした坂井洋が仕掛け損じると、鬼となって先輩をためらわず捨て、自力に転じた。「厳しい展開だったので前に踏ませてもらった。人気になるレースも多くなる、勝たないといけないと思う」。“身内を裏切る”ことも要求されるのだ。

 昨年グランプリに出場したことで、さらなる飛躍を誓う。「初めてのグランプリは自分なりに楽しめたのかな~ あの舞台は緊張の度合いが違うけど、いい経験になったのは事実。一度味わうと、また走りたいステージと言われたけれど、本当ですね。今年は最高の舞台にまた立てるような一年にしたい」。平原康多が2日目の落車で途中欠場を余儀なくされたが、新田、浅井を退けた吉田のレースは、今年の競輪界の勢力図を大きく変化させる走りでもあった。

新田&浅井、惜敗にも納得の表情

 春夏秋冬。日本の四季には折々の趣がある。記念第1弾、年始の立川記念は象徴的な開催だった。好天、強風、降雪、そして極寒。連日まったくバンクコンディションが違う。世界を経験する新田は楽しそうに言う。「いい経験になったシリーズだった」。強風のときは走り終えた選手の意見に耳を傾け、どの場所で踏むと追走する選手が遅れてしまうかを注視。どこから仕掛ければラインで決められるベストの位置なのか、戦略、戦術を練った。「海外ではアウトドアの戦いで、砂嵐のところで走ったこともありますよ。条件はみな一緒。命の危険性がない限り、僕は走りますよ」。2日目と準決勝と2度、菊地と連係した。「(準決勝は)雪は降っていたけど風がないから、新田さんに勝って下さいというコンディションだと後輩に言われました(笑い)」。菊地とワンツーを2回とも決めたことが、ことのほかうれしかったのか、ゴール後は肩を叩き喜び合った。その笑顔は、特別競輪で優勝したかのような表情でもあった。決勝3着を振り返り「清水君が(逃げる木村を)乗り越えられないと判断したのか、目線が合いました。競りに来るなって思った。(展開上)誰もが狙う場所だしね。でも違う一面を見せられたのは収穫のある決勝だった」と吉田の優勝を称えつつ、やりきった感に満足した。今年の目標については「まずSS班を目指し、その中でG1を優勝できれば。その先にあるものはグランプリの優勝です」と鋭い眼光を見せ、語った。

 2着の浅井も、思いのほか力を出し切ったからか晴れ晴れ。「(決勝では)出が悪くなり、まくる仕掛けでは新田君に合わされることも考え、追走から勝負に行った。少し接触したのがね…。でもしっかり走り切れた4日間。競輪をできたシリーズだった」。新年初戦に手応えを感じ、今後の走りを楽しみにしていた。

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