ほほ笑み王子がグラブを置く・・・元ヤマハ野球部・大野健介氏は一球一球に魂を込めたシズオカビト

現役引退を決め、穏やかな表情を見せるヤマハ・大野さん
現役引退を決め、穏やかな表情を見せるヤマハ・大野さん

 “ほほ笑み王子”がグラブを置く。12年の入社からちょうど10年。昨季限りで現役引退を決めた。「家族にも『よく10年やったね』と言ってもらえた。未練はありません」とトレードマークの爽やかな笑みを浮かべた。

 静岡商ではエースとして2年夏に甲子園に出場した。1回戦・八幡商戦は6安打2失点で完投。ピンチでも笑みを絶やさず、「ほほ笑み王子」と呼ばれ全国区の人気を誇った。早大では1学年上の斎藤佑樹氏(33)の後を受けエースに。11年秋には最優秀防御率1・53をマークした。「環境に恵まれた。高校、大学と日本一を目指してやれたことは幸せだし、刺激的だった」

 170センチ、77キロと小柄ながら140キロ台中盤の直球で打者を牛耳り続けてきた。「基盤になっていたのは高校の練習量」。ポール間走50本の直後に100メートルダッシュ100本など、曲田雄三コーチ(現監督)の下で下半身をいじめ抜いた。「突き詰めれば投手はマウンドで一人で戦う。苦しい時の粘りに生きた」という。

 近年は一球ごとに「オリャー」など叫びながら投げるスタイルが定着していた。起用は中継ぎがメイン。ワンポイントなら1球で終わる時もある。だから「一球も無駄にしたくない。一球一球魂を込めた」ことは誇りだ。

 今後は社業に専念する。ただ「もし縁をいただけたら」とコーチ業にも興味を持っているという。「甲子園に出たことをきっかけにずっと応援してくれている方もいる。(静岡のファンには)感謝しかないです」。最後はいつも通りの笑顔で締めた。(武藤瑞基)

 ◆大野健介(おおの・けんすけ)1989年10月9日、東京・中野区生まれ。32歳。小2から野球を始め、静岡商では1年秋からエース。2年夏に甲子園出場。早大では東京六大学通算25試合登板で4勝4敗。防御率2・70。12年にヤマハ入社し、21年限りで現役引退。170センチ、77キロ。左投左打。

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