フェンシング・見延和靖が発案「折れ剣プロジェクト」が発足…折れた剣を包丁やメダルに再利用

スポーツ報知
「折れ剣プロジェクト」の発足を発表した見延

 日本スポーツSDGs協会が19日、都内で会見を開き、フェンシングの練習や試合で折れた剣を再生利用する「折れ剣プロジェクト」の発足を発表した。

 同協会はスポーツをツールとして、2030年までにSDGs(持続可能な開発目標)の課題解決に貢献するため、昨年6月に設立。今回はその第1弾として打ち出された。東京五輪男子エペ団体で日本初の金メダルに輝いた見延和靖(ネクサス)が以前から「折れ剣」の問題について考えていたといい、五輪後に同協会の鈴木朋彦代表に自ら提案してスタート。見延は「五輪で金メダルを獲得し、スポーツは社会のさまざまな人の支えや努力の上で成り立っていると、改めて実感しました。剣が折れてゴミとして廃棄されるのは社会にとって良くない。このような活動を通じて、持続的に社会とのつながりを持っていけるようにしていきたい」と思いを語った。

 見延によると、ほぼ毎日練習や試合をこなす日本代表選手で「剣は長くて半年に一度、1か月ぐらいで折れることもある」という。ただ、これまでは剣が折れたら、廃棄するしかなかった。そこで、刃物づくりで有名な見延の地元・福井県越前市で金属の合わせ板(異種金属の接合材料)を精製する企業の「武生特殊鋼材」に直接相談。同社の河野通郎・代表取締役社長が「地元出身の見延選手の熱い思いを何とか形にしていければと思った。地域に貢献するチャンスにもなる」と快諾し、実現にいたった。

 実際に折れた剣は、日本協会の協力を得て回収する。その後、武生特殊鋼材に集めて再利用品に合わせて切断、熱処理、研削など加工し、包丁やメダル等に再生するという。見延によると、剣はフランスやウクライナなど限られた国でのみ生産されており、日本は輸入製品に頼っている。エペで使用するものは1本につき「4~5万円する」という。将来的な指標として、見延は「試合で活用する剣を(折れた剣を再利用して)つくることができたら」と掲げた。

 また、今回のプロジェクトには、競技の普及や後生への思いも込められる。見延は「このような活動を通して競技をいろいろな人に知っていただきたい気持ちもある。また、五輪を通じて(アスリートは)ただ競技をやっていればいいわけではないし、感謝の気持ちや社会貢献も強くなる選手には求められると感じたので、このような活動を次世代につなげていけたら」と見据えた。スポーツと社会の共生へ、金メダリストが立ち上がった。

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