水島新司さんの死去に、“ドカベン”香川伸行さんのどでかいアーチを思い出した

スポーツ報知
1979年4月、センバツに出場した浪商・香川伸行(左)を激励する水島新司さん 

 水島新司さんの死去で多くのネット原稿が次々と上がっている中、私が思い出したのが1979年スピードガン担当時代、甲子園で取材した際に左中間スタンドにライナーで叩き込んだ浪商(現大体大浪商)の香川伸行さんだ。

 

 172センチの小柄ながら100キロ近いずんぐりした体型の捕手で水島新司さんの野球漫画『ドカベン』の主人公である捕手・山田太郎に似て、甲子園出場前から“ドカベン”の愛称で知られていた。

 1978年春、79年春夏の甲子園に出場し、79年は牛島和彦投手とのバッテリーで春準優勝、夏ベスト4で甲子園で打った5本塁打は当時の新記録だった。後に記録を更新したPL学園・清原和博が打った13本のアーチが大きな放物線を描いたのとは対照的で、ライナーでスタンドに叩き込んだ香川さんの打球は往年の怪童と称された中西太さんを彷彿させた。

 翌年、南海にドラフト2位で入団すると日生球場での近鉄戦で左翼場外に初打席アーチを放ち、同年のジュニアオールスターで6回に逆転2ランを放ってMVPを獲得。1983年には一時的に打率首位に立つなど打率3割1分3厘を残してベストナインに選出された。しかし、その後は成績が伸びず1989年に現役を引退。通算714試合に出場し、打率2割5分5厘、78本塁打、270打点に終わった。

 その後は野球評論家や少年野球などの指導などをしていたが、2014年9月26日、心筋梗塞で死去。まだ52歳の若さに水島さんは「体調が悪いと聞いていましたが、突然のことで驚いています。あの笑顔が忘れられません。まだ若いのに残念です。ご冥福をお祈りします」とのコメントを発表した。

 香川さんの出現によって漫画ドカベンの知名度がよりアップしたのは間違いない。今頃、天国で浪商時代の香川さんと水島さんが昔話に花を咲かせていることだろう。

 蛭間 豊章(ベースボールアナリスト)

野球

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