日本将棋連盟は17日、都成竜馬(となり・りゅうま)七段(32)の結婚を発表した。都成七段は十七世名人資格保持者・谷川浩司九段(59)の唯一の弟子として知られる。
スポーツ報知の取材に応じた都成七段によると、お相手は同い年の一般女性。生涯の伴侶を得た今の思いを「これまでは自分のために将棋を指していましたが、これからは家族がいるので意味合いが変わってきます。より一層頑張りたいです」と語った。
1月17日が32回目の誕生日だった都成七段は「自分にとって大切な節目でしたので公表させていただきました」と明かす。1・17は1995年に阪神・淡路大震災が発生した日。師匠の谷川九段は当時、神戸で震災を経験している。都成七段は小学6生の頃、弟子入りを志願する手紙に1月17日に生まれたことをしたため、師弟の縁を結ぶことにつながった。
なお、結婚に際して谷川九段に電話で「紹介したい方がいます」と伝えたところ、空気を察した師匠は「ちょっと外で話せるような話ではなさそうだね…」と返事。後日、2人で谷川九段夫妻と面会して紹介と結婚の報告をした。谷川九段は「(結婚のことなど)気になっていたんだよ。よかったねえ」と祝福し、新婦には「都成をよろしくお願い致します」との言葉があったとのことだ。
都成七段は宮崎県出身。小学生名人戦で優勝した後、谷川門下で奨励会入会。13年、奨励会三段時代に新人王戦優勝の快挙を成し遂げた。三段リーグでは苦労し、四段昇段の年齢制限ギリギリの26歳で昇段した。
流行最新型から独創的な序盤戦術まで指しこなし、さらに居飛車・振り飛車を問わないオールラウンダーでもある。通算勝率・660を超える活躍を見せているが、今後はタイトル挑戦に絡む活躍も期待される。「家庭を持って、研究時間など大変になるところもあると思いますけど、力に変えたいです」
なお、将棋指しというより俳優のような雰囲気を持つ2枚目棋士としても知られる。「イヤ…そんなこと…ないです…」とジェントルに謙遜する都成七段は「普段から応援いただいておりましてありがとうございます。今度も応援をいただけますとうれしいです」と話している。