内村航平“キング”のラスト演技!3月12日「6種目やる」異例自己プロデュースの引退試合開催

スポーツ報知
笑顔で報道陣の質問に答える内村航平

 体操男子で五輪個人総合連覇を含む7個のメダルを獲得した内村航平(33)=ジョイカル=が14日、都内で引退会見を行い、3月12日に自身の“ラスト試合”「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」(東京体育館)を開催すると発表。全6種目を披露し、オールラウンダーとしてのキングが一日限りの復活を果たす。第二の人生は「競技者じゃなく演技者」として普及、育成にも注力し、新たな一歩を踏み出す。

 もう、選手として思い残したことはない。ゆずの「栄光の架橋」をBGMに登場し、報道陣150人超、テレビカメラ約40台に囲まれた内村は、晴れやかな笑顔で自身の体操人生を振り返った。「特別な感情はそこまでない。『ああ、引退するんだな』みたいな感じ」。淡々とした姿は、最後までキングらしいものだった。

 3歳から始めた約30年の競技人生に終止符を打った。16年リオ五輪後は、両肩など相次ぐ体の故障に苦しみながら戦い続けた33歳の体はすでに限界を超えていた。「世界一の練習が積めなくなった。『もうきついな』と思った」。決断は昨年10月、生まれ故郷・北九州市での世界選手権前。やるなら24年パリ五輪までと見据えた中、「しんどすぎて、先が見えない。あと3年は100%無理と感じた」と明かした。

 競技人生の約半分、日の丸を背負い「誇りに思う」と胸を張った。五輪は内村にとって「自分を証明できる場所」。小野喬さん以来となる4大会連続出場し、12年ロンドン、16年リオ両五輪では個人総合連覇。金3を含む7個のメダルを獲得。最後の21年東京大会は、鉄棒で落下し予選敗退。結果は悔いしかない。しかし、「栄光も挫折も経験できたのは今後、金メダリストを目指す人たちに伝えていく立場からすると、貴重な経験」と受け止められた。第二の人生は「競技者じゃなく演技者」として普及や育成にも注力し、「体が動く限り研究したい」と辞めてなお、理想を追い続ける。

 体操選手としての最後は3月12日。自己プロデュースの異例とも言える“引退試合”を開催し、「最後の舞台を(作って)やった選手はいなかった。痛い体にムチ打って6種目やる」と一日限りで、オールラウンダー・キングが帰ってくる。「五輪代表になるより苦しいことをやらなきゃいけない。ちょっと憂鬱(ゆううつ)」と笑ったが、「(6種目こなさないと)自分が自分じゃないような感じがする」とプライドをのぞかせた。リオ五輪団体金、東京五輪代表メンバーなど豪華な顔ぶれがそろえば、最高のラストとなるだろう。「演技としては最後になるが、人生で考えるとスタート。次につながるような舞台にしたい」。絶対王者・内村の体操人生第2章が幕を開ける。(小林 玲花)

 ◆内村 航平(うちむら・こうへい)1989年1月3日、福岡・北九州市生まれ。33歳。ジョイカル所属。両親が長崎・諫早市で設立した体操クラブで3歳から競技を始め、個人総合では2008年北京五輪銀、12年ロンドン、16年リオ五輪で連覇。リオでは団体も優勝。五輪で計7個メダル獲得。世界選手権は09年ロンドンから15年グラスゴーまで個人総合6連覇など10個の金含む21個のメダル獲得。162センチ。家族は夫人と2女。

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